ALVAS JOURNAL

「説得・説明なしでも売れる!『質問型営業』のしかけ」(青木 毅著 2011年 同文館出版社)~答えはいつもお客様が持っている〜

こんにちは。荻原です。

本日のトップセールスの本棚は、インタビュー形式でお届けします。
インタビューに答えてくださったのは、アルヴァスデザインのプロデューサーとして大活躍中の河村さんです。証券会社でトップセールスになった後、起業の経験もある彼女から、「至高の一冊」について伺いました。

今回ご紹介する本は、「説得・説明なしでも売れる!『質問型営業』のしかけ」です。

目次

    1.河村さんの人生に分岐点をもたらした「質問型営業」の魅力とは?


    荻原:本日は、よろしくお願いします。
    はじめに、ビジネスパーソンにおすすめしたい河村さんの「至高の一冊」について簡単にご紹介お願いします。

    河村:はい。私が紹介したいのは、「説得・説明なしでも売れる!『質問型営業』のしかけ」という本です。こちらはもう10年以上前に出版された本ですが、本当に個人的に思い入れがあって、自分の営業人生の分岐点になるような一冊なんです。内容は、タイトルの通りで、「質問型営業」に関して書かれている本です。

    営業って、要は売るもの。つまり、営業担当者から商品を売り込まなければいけない…と思いがちなんですが、実はそうではなくて、買ってもらうものなんです。そして、営業のアプローチとして「質問をする」という手法を用いるということがこの本に書かれています。

    10年以上前の当時の私にとって、「質問型営業」はとても新しい概念でした。実際、この本を読んでから私の営業スタイルはガラッと変わっただけでなく、営業活動がすごく楽しくなったんです。

    荻原:確かに一般的に考える営業マインドと完全に真逆のスタイルですね。

    河村:そうですよね。「営業」と言ったら、どれだけうまくプレゼンできるかとか、分かりやすく話せるかが重要だと思いがちですが、質問をすることで本当の意味でお客様の内心を聞き出し、そして買ってもらうという、本当に真逆なアプローチに出会えた本でした。

    2. 本書との出会い


    荻原:どういうきっかけでその本とは出会ったんですか?

    河村:これは私が証券会社で営業をしていた時に出会った本です。
    当時、1年目で新規開拓がメイン業務でした。嬉しいことに結構うまくいっていたんです。良い成績を残せたこともあり、その後、都心の支店に異動になりました。

    荻原:それはすごいですね!

    河村:ところが、田舎ではうまくいっていた「お客様と仲良くなって心を開いてもらい、口座を開設する」という営業手法が都心の店舗だと全く通用しなかったんです。当時は本当に落ち込みました。
    お客様から見向きもされない、電話も取ってもらえない…そんな状態でした。

    荻原:それは、つらいですね。

    河村:そうなんです。そんな状況で、悩んでいた時期にたまたま本屋さんに寄ったんです。「やばいな、このままじゃいけないな、どうしよう」という気持ちの中で、たまたま目に付いたのがこの本でした。

    荻原:なんと!それは運命ですね!

    河村:本当にそう思います。本屋で見ていて、「何だろう、質問型営業って?」と思って手に取って読んだら、「これはすごいかも!」と思って、即座に購入しました。今まで自分が思っていた営業とは真逆の手法が書かれていたんですよね。

    3. 「質問型営業」を実践して見えた世界


    荻原:その本に書かれている内容を実際に取り入れてみて変化は出ましたか?

    河村:正直、すごく変わりました。私自身の営業に対するモチベーションも変わりましたし、お客様の反応も変わりました。
    最初は全然喋ってくださらず勝手に寡黙な人なんだと思っていたお客様が、アプローチを変えることで、すごく心を開いてくれるようになったんです。
    次第に、「本当に信頼してもらえているな。」という実感が出てきました。そしたら、成果も上がるようになりました。本当に自分の人生を変えてくれた最高の本です。

    荻原:なるほど、確かに寡黙なお客様は中にはいますよね。

    河村:そうなんですよ。自分よりも人生だけでなく、投資についても圧倒的に大先輩なお客様なので、社会人2〜3年目の自分では教えることが無いくらいなんです。
    そんな中で、どうやって買ってもらうかについてすごく考えさせられました。やはり知識も大事なんですが、それだけだと信頼されないと感じました。なので、あの時にアプローチを変えたのは大正解だなと思っています。

    荻原:もはや営業人生のバイブルですね。

    河村:本当にそうです!10年経っても色褪せてないなと感じています。お客様さえも気づいていない思いや考え方を引き出すというのは、質問型営業の真髄だと思います。

    4. 答えはいつもお客様が持っている


    荻原:本の中で、印象に残ったエピソードはありますか?

    河村「営業担当者によるお客様への質問こそが最高の納得を与える」という言葉です。私はそれまではお客様に納得してもらうには、たくさんの情報を集めて、その情報量で納得してもらうという考えしかありませんでした。なので、いつもすごく大変だったんです。
    ところが、「質問こそがキー」と知ってから、コミュニケーションを取ることを徹底しました。お客様に興味関心を持って、「これどう思いますか?」、「どう感じますか?」と質問をたくさんしました。

    証券会社とやりとりをしているのですから、お客様はお金を増やしたいと思っているはずとは思っていたのですが、「実際にどれぐらい増やしたいのか?」などについてはこれまであまり関心を向けていなかったなと思いました。

    本書の中では、「もっと目の前のお客様に興味関心を持つことで、どんどん自分の中から聞きたいことが溢れてくる」という内容が書かれているのですが、実際にそれを実行してみたら本の内容通りになったのでびっくりしました。

    荻原:それは面白いですね。書いていることがまさに起きたというのは。

    河村:そうなんですよ。本書でも実際にこの質問型営業に変えたことで、お客様からの反応や表情が明らかに変わったという話が登場しています。まさに、売ったではなくて買いたいと向こうから言ってもらうみたいな状態です。

    荻原:一番いい状態ですね。

    河村:売り手としても嬉しいですよね。強引に商品を勧めるのではなくて、自然にお客様の方から買いたいと思う気持ちを引き出す営業を体験できました。

    5. 本心から来る質問が一番大事


    荻原:河村さんが最も共感できた内容はなんですか?

    河村:そうですね。共感できたことで言うと、「目の前のお客様に興味関心を持つ」という事です。この本の中で「最初に、お客様に対して好意を持つことが大事」と書かれているんです。

    そして、「好意を持ち→質問をして→共感をする」という会話のサイクルについても触れられています。

    会話を重ねる中で、「お客様の現状や欲求、問題・課題を聞き、その後、解決策をまずお客様に聞いてみてから提案をする」という、質問の順番がのっていました。よくコーチングの本では、効果的な質問集が掲載されていることが多いのですが、本書は、この質問をすればいいというマインドではなく、目の前の人に純粋に興味関心を持つことで出てくる本心から来る質問が大事と書いてあるんです。一番共感できたのはこの部分だと思います!

    荻原:深いですね。

    河村:そうなんです!表層的なテンプレートの質問さえすればいい精神ではなく、コミュニケーションをする側の心のあり方が大切であるという考え方は、インパクトがありました。また、営業は商品を売る人ではなく、本当の意味でお客様の役に立つ存在であるというメッセージがすごく印象的でした。

    荻原:私はあまり営業に特化した書籍は読まないので、読んでみたくなりました!

    河村:あっ!でも実は私もそうです!あんまり普段は読まないです(笑)
    ただ、今回のインタビューのお話をいただいた時に、どの書籍にしようかなと思ったのですが、一番自分の人生においてインパクトを与えてくれたのが本書だったんです。もう10年以上経つのに、いまだに捨てられないですし…。
    私は、書籍は、読んだらすぐ処分してしまうんですが、この本だけは、ずっと手元に置いてあります。個人的に分岐点をもたらしてくれたなと思える本です。

    荻原:もし、あの書籍に出会えてなければ、全く違う人生になっていたかもしれませんね!

    河村:そうなんです!全然違う人生だったと思います!質問型営業ってお客様さえも気づいていない本音を引き出すって営業手法じゃないですか。
    これを株式ではなく、人の人生を変えるために使いたいと思って、その後、退職してコーチングで起業までしたんですよ。(笑)

    荻原:起業のきっかけにもなっていたんですね!

    河村:そうなんです。だから人生のどん底だった時に出会って、そこから革新的なコミュニケーションスタイルに惚れて、その後、そのまま起業までしてしまいました(笑)

    荻原:本当にいい出会いでしたね!

    6. どんな人に本書をおすすめしますか?


    河村:これは本当に全ての営業担当者におすすめしたいです!いくら質問型営業やコーチングが大事という知識があっても、ついつい「ノルマを達成しなきゃいけない」とか「説得しなきゃ」と思いがちで、視点が狭くなってしまうことがあると思うんです。

    でも、それでは数字が伸びないし、お客様も振り向いてくれないことが多いです。行き詰まってる時って大体「アプローチ方法」や「営業担当者としてのあり方」がずれている時だと思うんですよね。なので、特に「今伸び悩んでいる人」や「お客様が自分の思うように全然動いてくれない」と感じている人におすすめしたいです!

    初心に戻るという意味でも、本書を読んで「そうだ!営業ってそもそも売る存在ではなくて買ってもらう存在だったよね!」「お客様を喜ばせる仕事だったよね!」という原点に立ち返る気づきが生まれると思うので、おすすめですね。

    荻原:確かに。それはすごく刺さりそうですね!

    河村:刺さると思います!この営業手法は普遍的なもので、時代が変わっても、人と人とのコミュニケーションは変わらない部分がありますから。

    本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒説得・説明なしでも売れる!『質問型営業

    〇トップセールスの本棚とは?
    【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
    営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
    ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。

    荻原エデル

    社内では、デザイン関係や営業支援をメインで担当しています!最近は動画編集も始めました。
    趣味は筋トレ、空手、映画鑑賞、読書。インドア人間です。

    河村 知絵

    埼玉県出身。大学卒業後、証券会社に営業職として入社。
    新規開拓、既存客営業をする中で出会ったコーチングに魅力を感じて起業。
    8年経ち、個人のその先にある組織や企業に貢献したいという思いから2023年1月にアルヴァスデザインに参画しプロデューサーとして従事。好きな言葉は「人間万事塞翁が馬」

    RELATED ARTICLES よく読まれている記事

    営業の価値を高める旅、
    それは終わりのない旅。
    だって、まだまだ
    営業は良くなる。