京セラフィロソフィー(稲盛和夫著2014年 サンマーク出版)~京セラフィロソフィーが変える未来〜
こんにちは。荻原です。
今回も引き続き、トップセールスの本棚をインタビュー形式でお届けしていきます。
本日、お話をお聞かせいただいたのは、入社2年目の阿南さんです。 そして今回ご紹介する本がこちら、「京セラフィロソフィー」です。
目次
1. 阿南さんが推薦する「京セラフィロソフィー」の魅力とは?
荻原:本日は、よろしくお願いします。はじめに、阿南さんのお薦めの一冊について簡単にご紹介お願いします。
阿南:はい。私がご紹介するのは「京セラフィロソフィー」という本です。著者は京セラグループの創立者である稲盛和夫さんです。
この本は、もともと京セラの創立35周年を記念して作られた「京セラフィロソフィー手帳」がベースになっています。この手帳は、従業員が会社の理念やフィロソフィーをいつでも確認できるように作られた小冊子でした。その後、この手帳の内容に稲盛さんの体験談や考え方を加筆して一冊の本としてまとめられたものが、今回ご紹介する「京セラフィロソフィー」です。
荻原:書籍の名前は聞いたことはありましたが、内容までは認識していませんでした。そんな伝説的な書籍であったんですね。これからお話を聞けるのが楽しみです。
2. 「京セラフィロソフィー」にはどのような内容が書かれているのですか?
阿南:本書は大きく4つの章で構成されています。
まず前書きとして、京セラフィロソフィーが誕生した背景から始まります。その後、第一章「素晴らしい人生を送るために」では、人生や仕事に対する基本的な心構えについて40近い小項目で解説されています。例えば「他者を尊重する」といった、日々の生活の中で大切にすべき価値観が具体的に書かれています。
第二章「経営の心」では、経営者としてどういう考えで企業運営に取り組むべきかという内容が10個程の小項目に分けて説明されています。ここでは稲盛さんの経営者としての哲学や判断基準が詳しく語られています。
第三章は「京セラでは一人一人が経営者」という章で、京セラ独自の経営手法である「アメーバ経営」について解説されています。アメーバ経営とは、各部門がそれぞれ独立した経営単位として機能し、社員一人一人が経営者としての意識を持って働くという考え方です。この章では、なぜそのような経営スタイルを採用しているのか、具体的にどのように運営されているのかが詳しく説明されています。
最後の第四章「日々の仕事を進めるにあたって」では、具体的な業務遂行における重要な観点やポイントが紹介されています。この章は特に実践的で、日々の仕事の中で直接活かせる内容となっています。
全体を通して、単なる経営論や理念集ではなく、稲盛さんの実体験に基づいた具体的なエピソードが随所に盛り込まれているので、非常に理解しやすい構成になっていると感じました。
荻原:難しい書籍である印象を持っていたのですが、かなり理解しやすい構成でまとめられていたんですね!
阿南:そうなんです!そのためとても読みやすいです。
3. 特に印象に残っているエピソードはありますか?
阿南:そうですね。特に印象に残っているのが、稲盛さんの若手時代のエピソードです。
稲盛さんは戦後、鹿児島大学の理系学部を卒業して京都の焼き物会社に就職します。当時24、25歳だった稲盛さんは、ファインセラミックの研究を続けていました。しかし、会社は赤字続きで、心の中では「なるべく早くやめて、次のもっとマシな会社に行こう」と考えていたそうです。
ただ、当時は今と違って、若手が簡単に転職できる時代ではありませんでした。稲盛さんは「本当に行くところがない」「大学を卒業したものの、なかなかいい会社に入れず、やっと入れてもらった会社なので、ここを辞めても行くところがない」という状況だったそうです。
そんな中で稲盛さんは、不満を抱えながらも黙々と働き、その若い情熱の捌け口をセラミックスの研究に見出していったそうです。結果的に27歳で京セラ(当時は京都セラミック)を設立し、後に日本を代表する大企業へと成長させ、松下幸之助氏と並んで「経営の神様」とまで呼ばれるようになりました。
荻原:そんな背景があったんですね。でもまさか転職をしたいと切望していた人がその後、日本を代表する会社にまで会社を大きくさせるとは、世の中何が起きるのかわかりませんね。
阿南:本当にその通りです。私の読んでいてびっくりしました。このエピソードは、今の若者の転職市場の動向にも通ずるものがあると私は感じました。不満があってすぐに転職を考えるのではなく、その状況下で自分にできることを追求する。これこそが大切な考え方ではないかと思いました。稲盛さんの姿勢には、現代でも学ぶべき点が多いと思います。
荻原:確かに。その通りですよね。さすが「京セラフィロソフィー」。非常に考えさせてくれます。
4. この本から得た教訓をどのように日常の業務に活かしていますか?
阿南:「京セラフィロソフィー」の中で特に印象的だったのは「能力×熱意×考え方」という成功の方程式です。私が特に注目したのは、この3つの要素のうち、私たちが自分の意志で変えられるのは「熱意」と「考え方」だという点です。
つまり、すぐには変えづらい「能力」にフォーカスしてネガティブになるのではなく、自分でコントロールできる「熱意」と「考え方」を高めていくことで、大きな成果を生み出せるということです。
私はこの考えに出会ってから、能力を向上させるために書籍を読む、営業スキルを身につけるといったことは大前提として、熱意や考え方にフォーカスして仕事をするようになりました。そのおかげかメンタルも安定し、主観にはなりますが、高いパフォーマンスを日々発揮できるようになったと感じています。
荻原:素晴らしいですね。確かに、自分自身が変えられる範囲に注目し、変えられない部分にはあまり神経を使わないというのは非常に大切な考え方ですよね。私も参考にしたいと思います。
5. どんな人にこの書籍をおすすめしますか?
阿南:私は主に4つのタイプの方に、この本をお薦めしたいと思います。
1つ目は、営業に携わる方々です。顧客視点や価値提供の考え方など、営業活動に直接活かせる内容が豊富に含まれています。
2つ目は、京セラグループに興味がある方、あるいは稲盛和夫さんの経営哲学に触れてみたい方です。京セラの企業文化や、稲盛さんの経営者としての考え方を深く理解することができます。
3つ目は、現在の仕事にモヤモヤした気持ちを抱えている方です。日々の業務を惰性で行っていると感じている方や、何か変化が必要だと思っている方にとって、新しい視点や気づきを与えてくれる一冊になると思います。
4つ目は、仕事の進め方を変えたいと考えている方です。本書には具体的な仕事への取り組み方や考え方が示されており、実践的なヒントが得られます。
荻原:かなり幅広い層に刺さる内容になっているんですね。
阿南:はい!そうですね!とても良い作品なので、ぜひ皆さんに読んでみてほしいです!
最後に、これは、我々(アルヴァスデザイン)の使命にも直結してくるのですが、本書では、「経営は人を磨く場」という表現があって、人を育てることが企業の使命であり、結果的にそれが利益につながるという考え方が出てきます。個人的にこの考え方がすごく大事だと思っています。というのも、そもそもこういう考え方が世の中に浸透していなければ、私たちの仕事は成立しないわけです。多くの大手企業でそういう考え方が浸透して、外部に委託して社員のレベルアップをすることで会社が次のステージに進める。これこそが社会のあるべき循環なのかなと感じました。
荻原:素敵な視点ですね!「京セラフィロソフィー」は、多くのビジネスパーソンにとって大切な気づきを与えてくれる一冊だと感じました。本日はありがとうございました。
阿南:こちらこそありがとございました。
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【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
荻原エデル
社内では、デザイン関係や営業支援をメインで担当しています!最近は動画編集も始めました。
趣味は筋トレ、空手、映画鑑賞、読書。インドア人間です。
阿南 康平
大学卒業後、システム開発を行うIT系ベンチャー企業に入社。個人事業主や中小企業の経営者に対しての新規開拓営業として、約2年従事。大手企業に対しての営業にチャレンジしたいという思いから、当社の理念に共感して2024年1月に入社。