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嫌われた監督(鈴木忠平著 2021年 文藝春秋)~落合監督から学ぶマネージャーの在り方とは?~

 

こんにちは、高橋です。

本日は、トップセールスの本棚として「嫌われた監督(鈴木忠平著 2021年 文藝春秋)」をご紹介します。

本書は、三度の三冠王を獲得し選手として偉大な記録を残した元プロ野球選手である落合博満が、監督として中日を率いた8年のことが鮮明に描かれています。

私は大の野球ファンですが、もちろん野球についてあまり詳しくない方でも価値を感じていただけるようなコラムにしました。

特に、営業マネージャーをされている方にとっては、落合博満のマネジメントからは学べるものがあると思っています。

 

1. 落合博満という人物

皆さんは、落合博満という人物をご存知でしょうか?ご存知の方は、どのようなイメージをお持ちですか?

落合博満は、プロ野球選手として大活躍し、2004年から8年間中日ドラゴンズを監督として率いて、素晴らしい成績を残しました。

野球のヒーローと言えば、毎日のようにスポーツ新聞に取り上げられ、また連日テレビでも放映されています。

しかし、落合博満は多くを語らず、中日ファンである私でも、「何も情報を公開してくれないからつまらない」と感じることがあったほどです。

では、なぜここまで孤独であり、ファンにも嫌われるほど語らなかったのか。

 

2. 正義の裏側にあるもの

本書を読んで、真っ先に感じたことは落合博満には、強い彼なりの正義があり、貫き通したということです。

そして、彼の正義とファンの方々や球団オーナーとの正義が一致しなかっただけであり、彼には彼なりの正義があったということです。

落合氏には、「選手たちに活躍させる」「チームを優勝させる」という確固たる想いがありました。私たちにとっては、落合氏の情報が手元にないことから、謎が多いですが、多くのチームスタッフや選手たちは、落合氏に感謝をしていました。

彼は嫌われたとしても、語らない監督だと言われても、彼なりの正義を通す覚悟を持っていたのです。

 

「語らない監督」は記者やファンの立場から見ると面白くない存在になります。「ファンを喜ばせない監督」は集客したいオーナーから見るとビジネスを分かっていない存在に見えます。

 

しかしながら落合氏の下で育ち、優勝の栄誉を受けた選手たちからは、落合氏に対する感謝の言葉がとめどなく出てきます。

正義の裏にあるものは「悪」ではなく、「誰か他の人の正義」です。

 

3. マネージャーが学ぶべき考え方

では、そんな嫌われながらも勝ち続けた落合氏のエピソードからマネージャーが学ぶべき考え方とは何か?

1つ目は、「目的に向かう意思を持つこと」であり、2つ目は、「多様な正義があることを認めるスタンス」です。

まず、私たちは何を目指すための存在であるのか?という目的を、しっかりと持つ必要があります。

 

落合氏の監督としての目的は、「チームが優勝すること」であり、「選手が活躍すること」でした。そこに、「ファンを喜ばせること」という目的はありませんでした。

「プロ野球は、ファンを喜ばせるものである」という一般的な考え方は介在せず、あくまで落合氏は独自の目的を持っていたのです。

また、目的に向かっていることが一致していれば、さまざまな正義を認めることも大切です。前述した通り、正義の裏には悪ではなく、また誰かの正義があります。

 

そのため、正しいか間違っているかの議論ではなく、正義には幅があるものであると認識して、互いの多様性を理解しあうことが大切なのです。

 

4. まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、野球ネタからマネージャーの在り方について考えてみました。少し違った観点から、日々の仕事を見つめなおすことは、良いリフレクションの機会になりえます。

本書が、皆さんにとって、日々のマネジメントを見直すきっかけになると嬉しく思います。

 

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代表取締役 CVO
早稲田大学大学院理工学研究科終了後、株式会社ファンケルに入社。
その後、30歳を節目に営業の世界に飛び込み、多くの会社の教育支援に携わる。
2013年株式会社アルヴァスデザイン設立。2018年「実践!インサイトセールス(プレジデント社)」出版。

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