最高の脳で働く方法(デイビット・ロック著 2019年 ディスカヴァー・トゥエンティワン)脳の仕組みを活かすだけで営業活動の質は変わる
こんにちは。荻原です。
本日は、毎日忙しい営業担当者の生産性を脳神経学の観点から高めてくれる「最高の脳で働く方法」という書籍についてご紹介します。
しかし、そんな人類でも未だに完全に解明することができないのが、「脳」です。
本書では、ビジネスコンサルタントであり、アクセンチュアやNASAにパフォーマンス向上を支援している「デイビット・ロック」氏が、世界の主要な脳神経学者30人にインタビューをして得た最新最先端の知見をもとに「ビジネスの現場でどのように活用すればいいのか」を解説してくれています。
前半では「問題解決」について、後半では「高プレッシャー環境下でどうすれば冷静さを保つことができるのか」について脳神経学の観点から解説しています。
本日は、特に営業担当者が現場で遭遇する可能性が高いであろう問題への対処法を紹介したいと思います。
1. ありがちな営業事例
所属している業界にもよりますが、営業担当者として営業活動を行っていると、複数のお客様と同時にメールでのやりとりをする機会が増えると思います。人によっては、十数人とメールを同時に行うなんてこともあるでしょう。
そのため、「プレゼン資料を集中して作成したいが、返信しなくてはいけないメールも溜まっている」というようなケースは往々にしてあるのではないでしょうか。
上記のようなケースで生産性を落とすことなく解決するにはどうすればいいのでしょうか?
その答えは、脳の構造を理解すると見えてきます。
2. 脳は舞台、情報は演者
我々、営業担当者が知的な生産活動を行う際、額の裏側にある「前頭前皮質」と呼ばれる高等機関が活性化します。
前頭前皮質とは「優先順位付けや情報整理」などの意思決定をする際に活動する脳領域です。
そんな前頭前皮質の活動を本書では、分かりやすくするために「舞台」で例えています。
舞台の広さはそのまま、「同時にどれだけの物事を考えられるか」を表しています。
演者は「扱う情報」です。
では、この前提情報を元に、先ほどのありがちな営業事例ケースを考えてみましょう。
3. 情報のシャットアウトと思考領域の整理
通常、「集中して終わらせたい業務があるが、返信しないといけないメールが複数ある」の解決策として、
- メールを返信してから、重要タスクに取り掛かる
- 重要タスクを終わらせてから、メールに返信をする
の2つが考えられると思います。
しかし、脳神経学的には上記で上げたどちらも生産性を最大化させるという観点から言えば不十分であると述べています。
なぜなら、どちらの場合においても脳は取り組まなければいけないタスクを記憶し続けている状態にあるからです。
これを舞台で例えると、演者A(重要タスク)、演者B(A社へのメール返信)、演者C(B社へのメール返信)…といったように複数の演者を舞台にあげてしまっている状態です。
これでは、演者は十分なパフォーマンスを披露することができません。
では、どうすればいいのでしょうか?
答えは、シンプルです。
演者を舞台から下ろせばいいのです。
つまり、タスクを紙に書き出しながら、優先順位付けをするのです。
これだけで、舞台から演者はいなくなり、演者は十分な演技スペースを確保できます。つまり、生産性を高めることができるのですね。
このように、脳神経学に即したちょっとしたテクニックを活用すれば、生産性は上がりやすくなるのです。
4. おわりに
いかがでしたでしょうか?
本日は、脳神経学の観点から、どうすれば少しでも生産性を高めることができるのかを見てきました。
営業担当者は、常に複数のタスクを抱えながら営業活動をする職種であります。
本記事で紹介したテクニックを用いることで少しでも生産性の向上に役立てれば幸いです。
また、本書ではその他にも営業パフォーマンスの向上につながる多くの方法が科学的根拠をベースに紹介されています。気になる方は是非ご一読ください。
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営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。