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コーチングの基本①(鈴木義幸著 2011年 日本実業出版社)部下育成におけるコーチング

こんにちは。伊藤です。

今回ご紹介したい本は「コーチングの基本」(鈴木 義幸著 2011年 日本実業出版社)です。
現在、様々な業界分野の人材育成において、”コーチング”の手法を有効活用しているケースもよく聞きますよね。
著者の鈴木義之さんは、延べ300社以上の企業において管理職を対象とするコーチング研修を行ってきたコーチングのスペシャリストです。
コーチングの事例では、2012年にヤフーがコーチングの一環として、1on1ミーティングをいち早く取り入れたことで話題になりました。

「部下の内省を支援し、経験学習のサイクルを効果的に回す役割を果たす」ことを重視していたそうです。

今回はこちらの本からの学びを「部下メンバーへのコーチング」「営業からお客様へのコーチング」という2回に分けて考えてみたいと思います。
まず第1回目として、「部下メンバーへのコーチング」の視点で考えていきます。

目次

1. コーチングの基本

はじめに前提条件として、コーチングの基礎について紹介します。
“コーチング”と聞いて皆さんは、どのようなことを思い浮かべるでしょうか?
例えば、コーチングといえば、

  • サッカーの練習でコーチングしてもらった。
  • マネージャーが部下へ営業の仕方をコーチングしている。
  • 新たな技術運用を外部コーチングによって習得した。

など様々なシチュエーションにおいて使われる言葉です。

ただ、“コーチング”という言葉はよく耳にするものの、”コーチング”とは何なのか、
実際のビジネスにどう活用したらいいのか、やり方がわからない方もいらっしゃるのではないかと思います。
本書では、

コーチングとは、対話を重ねることを通して、クライアントが目標達成に必要なスキルや知識、考え方を備え、行動することを支援するプロセスである。

と定義づけています。

コーチングにおける対話とは、
対象者の内側に眠っている潜在的な目的意識を顕在化させていくプロセス」のことを指します。

こうした目的意識が詳細に言語化されたときに、それがビジョンになっていきます。
そして、目標が明確化する中で、現在の立ち位置との差(ギャップ)が明確になり、
そのギャップの中に、「乗り越えるべき課題」が見つかってきます。

例えば、野球の練習場面を想定しましょう。
野球の素振り練習を1日100回やらないといけないと思っている選手がいるとします。
その選手は

  • 「なぜ1日100回素振りをすることに意識が向いてるのでしょうか?」
  • 「そもそも何のために素振りをしているのでしょうか?」
  • 「その選手の目標は何でしょうか?」

こういった一つ一つの対話を繰り返すことで、本来その選手が叶えたい目標を明確化させ、現実と目標とのギャップから、「乗り越えるべき課題」を見つけていきます。

このようにコーチングによって、対象者の目的意識を引き出し、最終的には対象者の成長課題の支援をしていく事ができます。
また、対象者は目標達成のために主体的に目的に向かって取り組んでいくことができます。

2. PBPの法則

コーチングを実際に行っていくにあたって、重要な
『Possession, Behavior, Presence』という視点があります。
端的に言うと、

・Possession・・・スキルや知識など習得するもの
・Behavior・・・実際の行動を起こすこと
・Presence・・・価値観などのものの考え方、捉え方

上記の3原則は、1つだけ備わっていれば良いというわけではなく、常に3つすべてを満たしている必要があります。
例えば、初めてパソコンの業務をすると仮定しましょう。
パソコン業務を行う(Possession)にあたり、
マニュアルを見ながらすすめているものの(Behavior)、
一人で解決したいという思いがある(Presence)ため、ほかの人に質問ができない状況であれば、
Presenceから解決が必要になってきます。
そういった場合は
「なぜ、一人で解決しようと思うのか」を
質問していくことによって原因を探っていくことができると言えます。

3. 「部下メンバーを育成する場面」でPBPを活用する

では、具体的なシーンを想定してPBPの活用について考えていきましょう。

あなたは今期で営業課長になったAさんを部下に持っています。Aさんは初めての管理職になりました。Aさんの目標は課の半期目標を達成することです。そのためにAさんは何をする必要があるでしょうか。

①Possession
第一に、Aさんの場合は目標に向けて、必要な知識・スキルを身に付ける必要があります。
Aさんは初めての管理職ということでマネジメントスキルが十分でない可能性があります。
定例業務の進め方や部下の状態の把握といったことから、課の計画の立て方、評価面談のやり方ということまで、管理職として必要な知識・スキルが備わっているかを考えることがPossessionの視点です。
上司が部下のAさんに実際に行う質問として、以下のようなものがあります。

・理想としている状態に近づくために自分に必要なものは何ですか?
・目標達成のためにどんな分野の情報が必要ですか?

これらのような質問を通して、Aさんの中でありたい自分を明確化し、現在とのギャップを的確に細分化させていくことで、Aさんの自発的成長を促進させることができます。
今回は①Possessionのみ紹介しますが、②Behavior、③Presenceの重要な視点も上司として備えておくべきポイントがこの本では紹介されています。
ぜひ参考にしてみてください。

4. まとめ

本日ご紹介したのは、コーチングを部下育成の手段として現場に応用していくような視点でした。
部下育成についてお悩みを感じている方やどうやって部下とのコミュニケーションを取っていいかわからないといった方には、ぜひ手に取って読んで頂きたい一冊です。

次回は営業でのお客様との関係構築の視点のコラムです。お楽しみにしていてください。

 

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北海道生まれ札幌育ち。2020年9月入社。
大学卒業後、公立教員、某大手アパレル企業にて勤めたのち、プロデューサーとしてアルヴァスデザインに参画。丁寧かつ親切な対応を心掛けています。趣味は温泉巡りで、好きな言葉は「一期一会」

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