オンライン×営業の新たなカタチ~心得編~
こんにちは。株式会社アルヴァスデザイン西山です。
コロナウイルスの影響で、営業手法は対面からオンラインに切り替わってきています。
ただ、オンラインの営業というものは、対面以上に確立されているものではありません。
正直なことを書きますが
弊社も、オンライン営業のノウハウについては発展途上の段階です。
ただ、現時点で弊社が集めたノウハウを発信していきたいと思います。
今回の「心得編」からスタートして全4回分のコラムになります。
【全4回】 オンライン×営業の新たなカタチ
※提案・クロージング編は7月下旬ごろ公開予定です。
はじめに
弊社は、「営業する/されるが楽しい世界をつくる」というビジョンのもと
日々たくさんの営業パーソンのご支援をさせていただいております。
そんな中、昨今のコロナウイルスの影響で、営業活動のやり方を変えていくことが求められています。
実際にこのような声をお客様からお聞きしました。
- そもそも訪問禁止でお客様へアプローチできない…
- 電話やテレビ会議でアプローチをするも、なかなかうまくいかない…
- 熱心に話をしているのに、お客様の反応が薄い…
このような状況下において、営業担当者は「困惑」している方が多いようです。
今回は、その「困惑」の原因は何か。
そして、オンライン営業において大切な心得について考えていきたいです。
時代と共に移り変わる「営業」と「ツール」の変化
はじめに、「営業」について考えます。
ご存じの通り、営業はとても歴史の長い職種です。起源を辿れば、物々交換の時代から存在していたのではないでしょうか。歴史の長い職種であるということは、それだけ重要であると言えます。
人間は、重要である分野への発展に注力していく生き物です。
例えば、移動手段などは顕著です。裸一貫の状態から、馬に乗り陸地を走れるようになりました。その後はエンジンが登場し、燃料があれば人の何十倍も速く走れる自動車が発明されました。エンジンが発展し、船や飛行機など空間であればどこでも進むことができるようになっています。(宇宙も行けますね!)
これは、「移動」という行動が人間にとって重要であったから、と言えます。
同じように、営業も進化を繰り返しており、それは特に活用する「ツール」に顕著に表れております。その中でも「コミュニケーションツール」の進化はインパクトが大きいのではないでしょうか。
このように時代とともに「コミュニケーションツール」も進化してきました。
・手紙
・メール
・電話
・テレビ会議システム
普通に考えれば、「コミュニケーションツール」が進化すればするほど、お客様とのコミュニケーションの質や量も向上し、結果として営業成績にも好影響が出ます。
しかし、昨今コロナウイルスの影響で、これらのツールを多用している営業担当者からは、「お客様とどのように信頼を築いたら良いのかわからない」といった困惑を耳にするのです。
このようにツールが進化しているにも関わらず、なぜ普段よりコミュニケーションがとれなくなってしまっているのか?
次章では、ツールを用いたそれぞれのコミュニケーション手法の違いについて整理していきます。
オンライン営業と対面営業の違い
今回は、特に昨今よく使用されるコミュニケーション手法である「オンライン(テレビ会議システム)」「対面」の切り口で考えていきます。
初商談における違いについて思考・行動プロセスの順に整理しました。
それぞれ整理してみると、下記のような違いがあることがわかりました。
上記の比較において、皆さんが特に気になるところはどこでしょうか。
営業担当とお客様のコミュニケーションという観点で考えてみると、「オンライン営業と対面営業の大きなギャップ要因」は意思疎通の制限に集約するのではないでしょうか。
もちろん、お客様のITリテラシーの低さやセキュリティポリシーの高さなどが壁になるケースも考えられます。
ただ、それらはツールの説明などやNDAを締結することで解決することができます。
次章では、この「意思疎通の制限」について紐解いていきます。
オンライン営業の心得とは?
さて前章にて、オンライン営業と対面営業の違いについて比較しながら考えてみました。
営業担当者の「困惑」の要因は、お客様とのコミュニケーションにおける意思疎通の制限にあるように思えます。
ではこの「困惑」をどのようになくしていくのか…。
私個人の意見としては、「対面営業でやってきたことをオンライン営業でもやりたい」という考えを捨てることだと思います。
「対面営業」を「オンライン営業」に置き換えるというよりも、「オンライン営業」でできる範囲のことで最大限営業をすることで成果につなげるという発想の転換が必要であるように思えます。
理由は2点です。
(ⅰ)競合他社もオンライン営業
現在、世の中の営業のほとんどはオンライン営業に切り替わっています。
競合他社が対面営業をしていて、自社がオンライン営業であるなら、「対面営業に匹敵するようなオンライン営業の手法を取り入れる」という思考が良いと思います。
ただ、全営業担当者がオンライン営業です。
つまり、オンライン営業でできる最大限のことをして、競合他社より優位に立っていくしかないのです
(ⅱ)テクノロジーが未発達
現在のテクノロジーにおいてオンライン営業では、「聴覚と一部分の視覚情報」だけでしか意思疎通ができません。
コミュニケーションにおいて、人間は視覚から55%の情報を得ています。(メラビアンの法則)
この法則からもわかるように、オンライン営業においては「そもそもお客様と意思疎通に制限がある」ということを受け止め、その中で最大限努力するという発想の転換が必要であるように感じます。
その上で、我々営業担当者に何ができるのかを考えてみたいと思います。
弊社で実践していること(初面談において)
ここでは、我々が初面談の際に実践していることを紹介します。
・オンライン名刺
なぜならば、オンラインという限られた視覚情報だけでは伝わらないものをしっかりとお客様に伝達するためです。対面営業であれば、全身や姿勢、表情が鮮明にキャッチでき、その上で名刺というパーソナリティを把握することができますが、これらは現状オンラインでは難しいからです。
・「今どちらにいますか?」というアイスブレイク
なぜならば、対面商談では当たり前である、お客様の商談環境を知るためです。それによって、お客様に配慮したり、商談の内容を変更したりすることができます。
例えばカフェにいる場合、周りの騒音が気になったり、セキュリティの観点で資料提示に慎重さが求められたりします。それらを把握することで、置かれている立場(環境)を意識した商談を進めることができます。
・アジェンダの事前送付、商談中の提示
なぜならば、お客様側も商談の準備ができるようになるからです。対面と違い、いつでも・どこでも繋がることができるのがオンライン営業のメリットです。一方、その手軽さによって立て続けに商談や会議が入ることが多くなるので、切り替えが難しく集中力が途切れやすくなる傾向があります。
アジェンダを作成することで①お客様が準備する時間を与えることができる②「今、何を話す時間なのか」がわかりやすくなる、等の効果を生むことができ、結果として双方にとって質の高い商談ができるようになります。
視覚/聴覚情報に制限があること、環境が変わっていることを前提に置くことで、普段以上に気をつけることや、普段と違う視点での配慮が求められることが見えてくるかと思います。
当初は「どうしようもない…」と思われがちであるこの状況ですが、このように整理すると、営業側でもハンドリングできる項目も多いのではないでしょうか。
まとめ
ここまで、対面営業/オンライン営業について整理をしていきました。営業側もお客様側も、環境や心境、場所の変化に合わせて、考え方そのものを変化させる必要があるのではないでしょうか。
そして本コラムの結論として、コミュニケーション手法によって変化する部分はありますが、ほとんどは営業側の工夫で解決するということもお分かりいただけたかと思います。
いただいた声にあった「困惑」は、もしかすると様々な要因が重なることで複雑化していただけかもしれません。その場合は、要因をできるだけ多方面から分析し、何が影響を及ぼしているのか?について整理することは有効かと思います。
とは言うものの、「じゃあどのような工夫をすべきか?」ということを悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。次のコラムより、「ツールを変化させる場合、具体的に何をすればいいか?」について営業プロセスごとにまとめていきたいと思います。
もしご興味があればご覧いただけますと幸いです。
【次回コラム予定】
・オンライン×営業の新たな「カタチ」とは~心得編~ (本コラム)
・オンライン×営業の新たな「カタチ」とは~アプローチ編~
・オンライン×営業の新たな「カタチ」とは~ヒヤリング編~
・オンライン×営業の新たな「カタチ」とは~提案・クロージング編~
※提案・クロージング編は7月下旬ごろ公開予定です。