ALVAS JOURNAL

営業パーソンが持つべき、問題解決に対する心構え

こんにちは。プロデューサーの田幡です。

突然ですが、私が大好きな言葉を紹介します。

もし、あなたが問題の一部でなければ、あなたはソリューションの一部にはなれない。

これは、個人や組織の変容を図る組織開発の大家、ビル・トルバート氏の言葉です。

とても冷静でありながら、前向きな言葉だと思いませんか。

社内で起きている問題を解決したい時、

クライアントにコンサルティングを行う時、

さらには社会課題に対峙する時まで、

あらゆる場面で必要な心構えではないかと私は思っています。

 

問題の構造を見落としてはいけない

 

ビル・トルバート氏の言葉のとおり、問題を解決しようと思ったら「問題の一部」でなければなりません。

 

これは、知人が上司に言われたダメな会話の例です。

 

上司「キミはさ、もっと積極的にチャレンジしないと成長しないよ!」

 

知人「はい……」

 

上司「チャレンジしないと成果は得られないし、限界が分からないし……(以降、チャレンジしないことのデメリットを延々と語る)」

 

知人「(いやいや、何かするとすぐに否定して芽を摘むのはあなたでは……)」

 

これは上司が問題構造を見落としてしまっている一つの例ですが、1対1の関係ですら問題を見落とすのですから、社内全体・社外・社会と広がれば、どんどん見落としてしまいます。

 

ただ、「問題の原因の在り処」として指摘された側には、意外と正しく問題構造が見えていたりするのです。「自称・解決者」と「他称・問題児」のやり取りは水掛け論に陥ってしまうことが免れない、といえるでしょう。

 

問題を構造で捉え、自分が果たす役割を考えよ

 

私はどうしているかと言いますと、初めて研修をさせていただくクライアントであっても、「過去に研修を行ってきた研修会社が、受講生となるクライアントの社員にどのような影響を与えてきたか」という点を考えるようにしています。

 

つまり、過去の研修提供者が自分ではないとしても、同じ「外部の研修会社」「研修・教育業界」という括りで捉え、その一人として“当事者意識”を持って考えるようにしています。

 

研修を受講される方からは、“いつもの”外部の研修会社の人、と見られるからです。

 

では、当事者意識を持って具体的に何をすべきかと言うと、その問題を「構造で捉える」ということです。あらゆる物事はお互いに影響し合っていますから、その問題を構造で捉え、その構造の中で「自分が果たす役割」を考えるべきなのです。

 

問題が起きた時に、「ああ、もうだめだ」というように『物事の終着点(BAD END)』として捉えてはいけません。「自分に何ができるだろうか」というように『解決(HAPPY)のスタート地点』と捉えるべきなのです。

当事者意識を持つことがすべての始まり

先ほどのダメな上司の例で言えば、こう対応すべきではないでしょうか。

知人「私は積極的にチャレンジしないとダメでしょうか……」

上司「あなたのチャレンジを私が妨げているとしたらそれは良くない。しっかり変えたいから、何かあれば教えてくれるかな」

知人「……!!!」

こんな対話ができる上司でありたいものですよね。一方的に必要性を説くよりも、実に効果的な解決策だと思います。

人材育成の場において、「責任感を持たせたい」という言葉をよく伺います。また一方で、「イマドキの若者は責任を取りたがらないから管理職にならない」といった風潮があるという話も、同じように耳にします。実態はともかく、こういった話を聞くたびに「責任」という言葉について考えてしまいます。

 

「責任感」の考え方については、良い意味で「重荷」として捉えた方がやる気も出る、という方もいると思います。ここでは、何が正しいかと言いたいわけではありません。

 

ただ、どんな問題に対しても当事者意識を持つことがすべての始まりであり、「重荷」という捉え方がその邪魔をするのであれば、心構えを変えてみるのも良いのかも知れません。

 

さて、皆さんは今、何の当事者でしょうか?

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