代表的日本人~日蓮上人編~(内村鑑三著 2012年 致知出版社) 逆境に対して命の危険をも顧みず、信念を貫いた勇気
こんにちは。石井です。
今回は、キリスト教の思想家である内村鑑三の著作である「代表的な日本人」の第五弾(最終回)として、日蓮上人編をお伝えします。
日蓮は、鎌倉時代に活躍した僧侶です。
元々は、漁師の息子として生を受けた善日麿(後の日蓮)ですが、若くして聡明であった善日麿が12歳の時、両親は僧侶にさせようと決心します。
日蓮は、強い信念を持ち、命を投げうって日蓮宗をひろめました。しかし、多くの迫害を受けました。逆境にも屈することなく、ひたすら歩み続ける姿勢には、勇気を感じる他ありません。
1. 日蓮という人物
日蓮は、1222年に生まれます。生まれた時の名前は、善日麿(ぜんにちまろ)です。漁師の家計で、決して裕福ではなく、貧しい生活をしていたそうです。
とても身分差別も激しく、本書には
「低い身分に生まれた天才が世に出られる唯一の道が、宗教であった。」
と、書かれています。
清澄寺が、生まれた場所の近くにあり、両親の願いはここの住職になることを願っていました。しかし、日蓮は全国に行脚修行を行い、独自の道を切り開いていくことになるのです。
2. 迫害に立ち向かう信念
日蓮は、数年間にわたり鎌倉にこもり、徹底的に修行に明け暮れます。その時、鎌倉で大地震が起き、多くの方々がなくなります。
「この自然災害は、なぜ起こったのか?」
日蓮の心に、この問いが突き付けられます。
日蓮は、この問いへの答えとして、浄土宗の教えが普及し、正しい教えが失われたからであると考えました。そして、日蓮はこの考えを元に、法華経を唱える日蓮宗の普及に命をかけることになるのです。
当時、無名であった日蓮は地元に帰り、自身の考えを説いたが、誰も相手にしてくれない、数々の島流しに遭う、また北条氏による死刑判決も受けます。
このように、幾多の試練が日蓮を襲い、まさしく命がけで日蓮宗の普及に人生をかけたのです。
3. 営業担当者が得られる教訓
私たち営業担当者は、新しいことを生み出す存在の一人として立ち向かう勇気が大切です。
営業担当者は、お客様とのやり取りの先頭に立ち、お客様と一緒に未来を構想します。予測不能な現代では、その未来構想が批判されたり、受け入れられなかったりすることはあり得ることでしょう。
しかし、正しいと信じた想い、初心、信念を大切にして、道なき道を進み続けることは、とても大切なように思えるのです。
4. おわりに
いかがでしたでしょうか。
本日は、日蓮上人編として、逆境に立ち向かう勇気について学びました。
私たちは、時に心が折れるほどの逆境にぶち当たることがあります。その時は、誰かに相談する、解決策をネットで探すということもありでしょう。
しかし、本と対話することも、その1つに入れてほしいと感じます。私は、この日蓮上人の話から、多くの勇気をもらい、奮い立ち気持ちを抱きました。
※本編は、宗教的な内容が多く含まれるため、リアルな内容を知りたい方は、ぜひ本書をお取りください。
以上計5回にわたり、内村鑑三の「代表的日本人」を取り上げました。営業として、人として、学べるエピソードが数多く収録されています。営業担当者として次の一歩の一助になれば幸いです。
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