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先生、どうか皆の前でほめないで下さい(金間大介著2022年東洋経済新報社)

こんにちは、高橋です。

本日は、「先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち(金間大介著  2022年東洋経済新報社)」をお届けします。

皆さん、このタイトルを見てどのような感情を抱きますか?

正直、私は興味が湧いたという言葉と共に、「どういうことだろう?」という疑問が頭をよぎりました。

それは、なぜ先生にほめられたくないのかが理解できなかったからです。

確かに、クラスに数人このような友達がいたかも?と思わされることはあります。

しかし、この本によるとある特定の世代(2018-2020年時点で大学生だった方々)が「先生にほめないでほしい」と思っているようです。

ますます、興味深くなり、私はこの本を読み進めることにしました。

この世代をマネジメントする私にとって、もはや必読書に思えてきました。

目次

    1. 営業は、選ばれた者だけが受注できる

    皆さんは、メンバーからこのような言葉が出てきたら、どのように感じますか?

    • 目立った成績を取りたくない
    • 別に一番になる必要はない

    私にとって、目立つことや一番になることは、「選ばれる」という観点でとても重要です。

    なぜなら、営業パーソンである私は、お客様から選ばれない限り受注することができないからです。お客様から選ばれないこと、それは、「失注」を意味します。

    つまり、私にとって「選ばれること」は「最も価値を感じて頂く」ことを意味しており、仕事における至上命題の1つです。

    でも、この仕事上の話を除いたとしても、今までの人生の中では

    • 選ばれたい

    と考えてきたことが多かったように思います。

    ただ、どうやらある世代は、相手から選ばれるための一つの要素となる「目立つこと」や「一番になること」を敬遠するようなのです。

    2. ある世代

    本書によると、ある世代とは2018-2020年に大学生であった方々を対象としています。いわゆるZ世代※と呼ばれる方々の枠に入ります。

    ※Z世代:ジェネレーションZとは、アメリカ合衆国をはじめ世界各国において概ね1990年代中盤から2000年代終盤、または2010年代序盤までに生まれた世代のことである。

    世代が変われば、人々の思考が変わることは当然です。

    私も子育てをしていると、私が子供の時になかったものがたくさんあることに気付きます。その代表がデジタル機器であり、PCやスマホです。

    子供のスマホがあるないに関わらず、親がスマホを使っていると、自然と子供も使うようになり、いつしかデジタルネイティブになっています。

    一方で、私が子供の時にあったけど、今ではないものもたくさんあります。

    その1つが、空き地や公園を代表とするような子供同士で集う場所です。

    昔は、家の中で一人きりで遊ぶことよりも、友達と外に出かけることの方が断然に多かったと記憶しています。

    どうやら、このような観点は、多かれ少なかれ世代間のギャップに影響を与えているように思えます。

    3. マネージャーへの示唆

    前述したように、この世代を含めたメンバーのマネジメント現場では、「一番になりたい」と「一番になりたくない」という二律背反するような状況を1つの方向性に束ねていく必要があります。

    このような一見すると交じり合わない思想同士が互いにチームとなって仕事をする時、マネージャーはどのようなことを意識すべきなのでしょうか。

    示唆①: 理解し合う

    はじめに、互いの違いを理解し合うことからスタートすることが大事だと思います。前述したように育ってきた環境が異なれば、考えることも異なります。

    このような状況下で、相互理解なしに仕事を進めることはできません。マネージャーは率先して、メンバーを理解し、そして自分のことも理解してもらうように働きかけることが大切なのではないでしょうか。

    示唆②:問いかける

    マネージャーからメンバーへの問いかけによって、メンバー自身の特徴や強みを自覚してもらうことも大切です。

    現代では、会社の寿命よりも個人の働く期間の方が長いということも珍しくありません。このように変化の激しい時代を生き抜くためには、環境が変わっても活躍できるようなその人ならではのバリューが必要です。

    このバリューを見つける助けをしてあげることもマネージャーの仕事の1つなのではないでしょうか。

    示唆③:一緒に考える

    同じ目線で考えるということも大切です。

    ひと昔前では、マネージャーからメンバーに対して一定の試練を与えることで成長を促すことは一般的でした。いわゆる修羅場を経験してもらう…です。

    ただ、これらのマネジメントスタイルはもはや通用しないように感じます。メンバーのキャリアを含めて、マネージャーが共に考える姿勢が必要になるでしょう。

    4. おわりに

    いかがでしたでしょうか。

    私自身、この書籍から多くのことを学びました。皆さんにとっても、何か1つ、2つと気づきになることはございましたか?

    変化の激しいビジネス社会で生き残っていくために、一番安定なことは「自分で稼げる能力を身に付けること」です。

    どの企業に属しているのか、どの仕事についているのか、というようなことは、もはや安定とは言えない時代です。

    これらのキャリア開発も含めて、これからのフレッシュな若手世代の活躍の場を、どのように演出していくのかということは、マネージャー陣の腕の見せ所になるのではないでしょうか。

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    高橋 研

    代表取締役 CVO
    早稲田大学大学院理工学研究科終了後、株式会社ファンケルに入社。
    その後、30歳を節目に営業の世界に飛び込み、多くの会社の教育支援に携わる。
    2013年株式会社アルヴァスデザイン設立。2018年「実践!インサイトセールス(プレジデント社)」出版。

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