NO RULES: 世界一「自由」な会社、NETFLIX:NETFLIX and the Culture of Reinvention(リード ヘイスティングス 著、エリン メイヤー 著 2020年 日経BP日本経済新聞出版本部)~Netflix流フィードバック理論~
こんにちは、荻原です。
いきなりですが、皆さんは一緒に働くメンバーにフィードバックをする習慣はありますか?
昨今、「フィードバック」がタイトルやサブタイトルの一部になっている書籍を多く見かけます。
そういった意味で、最近ではフィードバックすることはかなり身近になったと言えるかもしれません。上司から部下へのフィードバックに限らず、同じ等級同士でもフィードバック行うことも少なくないと思います。
しかし、フィードバックすると「思ったより難しい!」という感覚を抱く方も少なくないはずです。ある意味では、フィードバックする頻度が増えたからこそ、フィードバックへの悩みも比例して増えた・・・。という状況もあるのではないでしょうか。
そこで本日は、Netflix社の企業文化を余すことなく紹介している名著「NO RULES: 世界一「自由」な会社、NETFLIX」をご紹介したいと思います。
Netflix社ではさまざまな文化が存在しますが、その中でも「フィードバック」の仕方に関しては、数多くの企業が好事例として自社に取り入れています。
本記事を通してNetflix社流のフィードバックの仕方について知っていただけたら幸いです。
目次
1. Netflixの企業文化「フィードバック」
Netflix社の核となる文化の一つに「フィードバック」があります。
それは単なる意見の交換を超えたものであり、所属している営業パーソンに始まり、全メンバーの自己成長を促進するための重要なツールとして機能しています。この文化の核となるのは、「透明性」と「成長への志向」です。
営業パーソンはフィードバックを通じて自己の強みや改善点を理解し、それに基づいて営業戦略を練ることで、お客様とのより強固な関係を築き、商談の成功率を高めるのです。
つまり、Netflix社における「フィードバック」は営業成果に直接的な影響を与える重要な要素なのです。
2. フィードバックを嫌う人々
フィードバックがもたらす良い影響とは裏腹に、フィードバックのプロセス自体には、営業パーソンを含む多くのメンバーに心理的な障壁を発生させてしまいます。
具体的な心理的な障壁には、下記の4つが含まれます。
- 面倒な存在に見られたくない
- 対立的な議論を避けたい
- 同僚の反感を避けたい
- 協調性の欠如を指摘されたくない
こうした心理的障壁により、フィードバックがきちんと機能していない場合が多くあります。
ただ、もしこれらの心理的障壁を排除させることができた場合には、営業パーソンを含めた多くのメンバーの成長速度は加速度的に増加するのです。
では、どうすれば、この心理的な障壁を取っ払うことが可能になるのでしょうか?
その答えをNetflixは「4A」であると言っています。
3. 率直なフィードバックがもたらす力
これまで見てきたように、効果的なフィードバックには全メンバーを加速度的に成長させる力があります。
しかし、フィードバックは、真実を伝える必要があるため、フィードバックをする人がある種の悪者になってしまうという負の側面があります。
一般的に人は「嫌われたくない」という特性を持っているため、正しいフィードバックは誰もができるわけではないとされています。
しかし、Netflix社では、高水準でフィードバックが実現できています。これは、「4A」というフィードバックガイドラインをNetflix社が導入しているためです。
・Aim to assist:相手を助けようという気持ちで。フィードバックは前向きな意図を持って行うこと。
・Actionable:行動変化を促す。フィードバックはそれを受けた相手が行動をどう変えるべきかにフォーカスすべき。
・Appreciate:感謝する。フィードバックをもらったら感謝を示そう。
・Accept or discard:取捨選択。心からありがとうと言ったら、受け入れるかどうかは本人次第。
(引用:No Rulesより)
このようにNetflix社では、実行可能なアドバイスを提供し、具体的な行動変化を促します。理論的な指摘ではなく、実際に実行できる具体的な提案をするのです。
そして、提供されたフィードバックを受け入れ、必要に応じて取捨選択を行います。受け手も積極的な役割を果たしていると言えるのです。
またフィードバックは、
- 相手が「裸の王様」である可能性を正直に伝える勇気を持つこと
- 第三者の話をする際は、第三者本人に直接言えることのみを話すこと
というフィードバックの原則を守ることで、より効果的にフィードバックを行えるとも本書では語られています。
もちろん、一朝一夕では身につかないコツですが、意識するだけでもフィードバックの仕方は変化します。少しずつ日々のフィードバックの仕方を変化させてくことが大切なのではないでしょうか。
4. おわりに
いかがでしたしょうか。
優れた営業パーソンになるためには、フィードバックを受け入れることとそれに基づく自己改善が不可欠です。
フィードバックを恐れずに受け入れ、それを自己成長の機会として活用することが、営業の成果を高める鍵です。
以上のことからフィードバックは、単なる意見の交換ではなく、自己成長と組織の成功への道と言えるのではないのでしょうか。
また、本記事で紹介した内容以外にもNetflix社では参考にできる企業文化が多数登場します。もし、Netflix社について少しでも学びたい思った方は、ぜひ本書を手に取って見てください。
この記事が少しでも皆様も営業活動にお役に立てば幸いです。
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ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。