ALVAS JOURNAL

選んだ道が一番いい道 いつも小さなすてきは見つかる(大宅邦子著 2019年 文響社)~キャリアや人生に対するポジティブな考え方~

みなさま、こんにちは!プロデューサーの中島です。

今回は、自己啓発本や営業本とは少し離れて、エッセイ本の紹介をさせていただきます。

ご紹介する書籍の著者は、全日本空輸株式会社(通称:ANA)で初めて65歳定年まで現役で飛び続けた伝説の客室乗務員です。

この書籍を読もうと思ったきっかけは、他業界を知って新たな視点を得るという意味で興味を持ったからです。

これまでの自分は、仕事や業務になるべく親しいものや、直接活かせそうな書籍を手に取るようにしてきましたが、新しい刺激を入れてみようという気持ちになり、書籍を手に取りました。

 

書籍には、長年の経験をしたからこそたどり着いた”ものの捉え方・考え方”が紹介されています。これは、定年まで現役キャビンアテンダントとして働き続けることが稀である職場で、最後まで働き続けた著者がたどり着いた結晶とも言えるでしょう。

総合的な感想としては、「本当に自分はこのままで良いのだろうか」と少し人生やキャリアに迷ったとき、「これで良いのだ」や「新しいこともやってみようかな」とポジティブな気持ちになれるような内容でした。

本コラムでは、著者が伝える様々な素敵な言葉の中から特に響いた言葉をいくつか紹介します。

 

1. あなたが選んだ道が、あなたにとって一番いい道

著者の大宅さんは45年間、ANAでキャビンアテンダントという業務を続けてこられた方です。正直に申し上げて、私は著者がなされたように同じ業務をずっと続けていく事に対し、少しネガティブな感情が働きます。

というのも、私は現在社会人4年目で、弊社は2社目となるため既に他のことを経験しているからです。加えて、仕事内容にも目を向けると、全く異なる経験を2社でしているからこそ、得られた視点があるとも感じます。

ただ時々、「もし前職で長年務めていたらどのような視点を得られたのだろう?」という考えや、「もし新卒で全く異なる業界の企業に内定をもらっていたらどのような自分になっていたのだろう?」などと、他の選択肢が気になったり、タラレバの世界が羨ましくなったりすることもあります。

そういう気持ちになると、私はこの先どうしていきたいのか。このままでいいのだろうか。と漠然とした不安に襲われることがあります。

 

皆さんはどうでしょうか。

自分のキャリアや生活の中で様々な選択をして現在の自分があると思いますが、自信を持って”これが正解!これでいいのだ!” と言える方は意外に少ないのではないでしょうか。

様々な選択を経て過去があり、今があり、未来があります。自身の選んでいる道に対して不安を感じたり、他の道を選べばどんな世界が見えていたのだろうと思うこともありますが、著者の次の言葉を読んで、気持ちがすごく前向きになりました。

―”選ばなかった道は、自分の道ではないのだから、忘れていいのです。そのかわり、これまで歩いてきた道をいとおしみ、今歩いているこの道に心を据える。”

この言葉を読んで、タラレバを考えて焦るよりも、目の前の環境に感謝をして、そこからステップアップをして新たな選択をしていく方が、ずっとポジティブで、自分にとって満足のいく選択がまた次にできる。そんなことに気が付かされました。

このように、当たり前なのに日々の忙しさに雲隠れして見えなくなってしまうことは意外とあるのではないでしょうか。

 

2. 毎日という点こそ、ていねいに。線は点でできている

次に、仕事で意識したいと思えた言葉を紹介します。

―”自分らしい小さな「点」を、無理せず、でも大切に重ねていくと、振り返ったとき、みんなそれぞれの自分らしい線ができているのではないか。”

著者は日々の業務である「点」をこつこつとていねいに続けていたら、気づいたら定年まで働いていた。というように結果として”仕事”を長年続けることができたことを焦点に述べています。

しかし、私はひとつの仕事を長年続けることに意味があるとは思いません。

 

ただこの言葉を読んで、著者が述べるように仕事を”続ける”ことを目標にするのではなく、日々の業務を丁寧に行い、社会に貢献し、一歩ずつ着実に前に進んでいく。

そんな「小さな点」のような過程を続けることで、気がついたら点が線となって自分が成長しており、自分の「歴史」が作り上げられていく。そんな視点は仕事をする上で持っておきたいと思いました。

特に、業務をする中で、自分にとってチャレンジングなものや、少し躊躇するような業務もあるかと思いますが、それもこれも全部「点」で、振り返ったときに大きな成長過程と捉えられれば、前向きな気持ちになれるように思います。

 

例えば、私にとって研修講師として登壇をすることは非常にチャレンジングで挑戦する前は、躊躇してしまうような業務になります。

普段の営業活動よりも経験する機会が少ないことから、どうしても自信を持つことができず、「失敗したらどうしよう」とネガティブに考えてしまいがちです。ただ講師登壇が終わって、挑戦する前とその後を振り返ってみると、一気に様々なスキルを得られていたことに気が付きました。

 

例えば、人に伝わりやすい話し方や傾聴を無意識に出来ていることに気がついたときは、自分に対して成長を感じ驚きました。

「少し難しいことや、多少の負荷は大きな成長過程と捉える。」これはうまく仕事をしていく上で案外Tipsかもしれません。

 

3.「まだ、知らないことがあるの」は人生の可能性

私は弊社に入社して3年目になります。徐々にできることが増えてきて、任される仕事の質も量も大きくなってきています。その責務ある仕事を任されることに充実感を感じますが、一方で「わからない」や「できない」が恥ずかしいことと捉えがちになってきていると感じます。

ただ、次の著者の言葉を読んで私の「できない」に対する捉え方は成長を阻害する要因であり、もったいないことであると改めて気付かされました。

―”経験を重ねても、慣れることなく成長できる自分でいたい。もしもそう願うなら「初心者になること」が近道です。”

 

例えば、最近韓国語を独学で学び始めたのですが、解答を間違えたり、知らない単語が出てきたりしても、素直に自分のレベル(=現在地)を受け止めることができます。そのため、吸収力も早く自分の語学力が伸びてきているのを感じます。

ただ、英語となると話が異なります。私は、学生時代にアメリカに留学にいっていることもあり、言語スキルをある程度体得してしまったため、プライドが邪魔をして間違えることや、わからないことを恥ずかしいと感じ、素直に学ぼうとしていないように思います。

そのため、成長速度が格段に下がっていると感じます。

 

仕事でも同じです。

年次が上がっていくごとに、間違えることや人に何かを教えてもらうことを躊躇してしまう方は多くはないでしょうか?

前職の上司がよく、「社会人1年目はお客さんからも色々教えてもらいなさい。それが1年目の特権だ。」と言っていて、私自身もお客さんを含めて様々な方から教えて頂き知識をインプットしておりました。

ただ、2年目以降になると、「そんなこともわからないのか?」と思われるのが嫌になり、分かっているふりをしてしまったり、上司に聞くことを躊躇ってしまったりしていました。

できないことや知らないことに出会ったときは、プライドが邪魔をしがちですが、初心に戻り素直に受け止め学ぶ姿勢を整える

これだけで、もっと成長の可能性が広がるのです。

 

4. おわりに

今回、始めてエッセイ本を紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

この書籍を読んで著者の素敵な言葉に元気をもらうだけでなく、自分の業界と全く異なる内容の書籍を読んでみる面白さにも気づくことができました。

特に、航空業界のキャビンアテンダントという、普段全く触れることのできない世界を知る機会となり、一つ知見を広げられたと感じました。(例えば、著者が入社した当時はキャビンアテンダントの定年が30歳であったことは驚きです。)

 

仕事をしていると、どうしても自分の目の前の業務ばかりと向き合い過ぎてしまい、視野狭窄になってしまいがちですが、業務と直結はしない他業界や世間の情報にも視野を広げていると仕事を進めるうえでの判断材料になりうると思います。

そのため、業務とは全く関係のない書籍だとしても他業界を知ってみるという意味でもご興味あればぜひお手にとって見て下さい。

また、エッセイ本のため、易しい内容になっているので将来キャビンアテンダントを目指すお子様がいらっしゃる方にもおすすめできる一冊かと思います。

 

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医療機器メーカーでカテーテルを扱う営業を経験したあと
アルヴァスデザインにプロデューサー職として入社。
趣味は海外旅行とNetflix鑑賞。
好きなシリーズは1994年から2004年まで放送されたFriends。
好きな本「夢をかなえるゾウ」本から学んだ名言「一日何かをやめてみる」

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