体系的に学び続ける
こんにちは、高橋です。
現在、株式会社アルヴァスデザインの理念に関するコラムを、継続的に発信しています。
今回は、その五回目として「体系的に学び続ける」をお伝えします。
前回のコラムまでのコラムはこちらから、お読みいただけます。
第一回:理念コラムを始めます
第二回:自他を尊重する
第三回:目的を持って取り組む
第四回:当事者として価値を発揮する
目次
1. 知的好奇心とは何か?
今回は、少し硬めな話からスタートさせていただきます。
知的好奇心という言葉を聞いたことはありますか。
知的好奇心とは、「物事に対してもっと深く知りたいと思う気持ち」のことです。
- この背景には、何があるのか?
- これの成り立ちは何か?
- この人の功績って何?
など、日々生活をしていると、知りたいな~という気持ちが自然と湧いてきます。これが、知的好奇心というものです。
子供の頃は、色々知りたいことが多すぎて、「あれはなに」「これはなに」と聞いて回ることも多かったのではないでしょうか。
わが子も、2~3歳の言葉が通じ始める時期になると、知的好奇心のあふれる質問を投げかけてきました。
娘:これはなに?
私:ペットボトルだよ。
娘:ペットボトルって何?
私:ポリエチレンテレフタレートの樹脂からできたものだよ。
娘:それは何?
私:それはね、○○によって合成されるものだよ。
・・・
化粧品メーカーの研究職をしていたので、このような深堀質問にも答えられるのですが、娘は全くつまらない顔をしていたので、質問に対する私の答え方は伸びしろの塊です。笑
いずれにせよ、このような知的好奇心というものは、子供のうちから無意識に持っているものです。
2. 日々の出来事から学んでいく
知的好奇心を持って仕事をしていると、日々さまざまなことに直面し、多くの学びを手に入れることができます。
私は、日々営業活動をしたり、研修で登壇したりしています。何年もこの仕事をしてきた今でも、やはり反省すべきことは多く、もっとこうすれば良かったのに…と思うことがあります。それによって新しい手法を知りたくなる、つまり知的好奇心からくる学びを手に入れているわけです。
また、学ぶための環境も整備されてきたことで、私たちの知的好奇心は満たされるようになりました。
私が社会人デビューした2000年前後のことですが、ロジカルシンキングと言う学問を聞いたことはありませんでした。
キャリア開発やコーチングと言う概念すらなかったのではないかと思うほどです。もちろん、今でこそ営業現場で多くの価値を発揮しているインサイドセールスは当然ありませんでした。
今でこそ、知的好奇心を刺激されれば、スマホやPCで検索してみるということも可能ですが、当時はなかなかこのようなこともできなかったのです。
このような意味で、日々の仕事から幅広い知識を吸収して学びを深めることができる現代は、とても恵まれたビジネス環境といえます。
3. 日々の学びを加速するために
仕事を通して知的好奇心をくすぐられ、1つずつ学んでいくことは大切です。この過程で、かなりの成長も感じることができるでしょう。
しかし、株式会社アルヴァスデザインは、仕事の現場での日々の学びだけでは、満足できる集団ではありません。
体系的に学び続ける意義がここにある
体系的な学びとは、過去の偉人たちが残した知恵であったり、現代においても活躍されているビジネスパーソンがまとめた知見であったりを修得することにあります。
体系的に学び続ける人はたくさんの学びを統合させ、大きな目的を描けるようになります。
Frame of Reference(参照枠)を広げる
これは、私たちのマネジメント教育のコンテンツにおいて監修をいただいている藤田勝利氏から教わった言葉です。
仕事において困難な状況に直面したとき、自身の中にどれだけ体系的な学びがストックされているかによって、問題を解決できる可能性は大きく変動します。このような意味で、日々の学びを継続して、自身の参照枠を広げるべきなのです。
4. 学ぶこと自体が楽しいと、働きがいも高まる
学びが楽しいと、きっと仕事も楽しくなっていくでしょう。
体系的に学ぶ習慣がない人は、同じ仕事をやり続けるしかなく職場での貢献領域も広がりません。
学ぶことで視野が広がり、その結果より高い次元で物事を考えることにつながります。これにより、貢献領域というものも自ずと広がっていくことでしょう。貢献領域が広がれば、成長を実感することができますし、高揚感も抱くことができます。まさに、仕事のやりがいにつながるのです。
私たちは常に学び続け、成長を続ける側のチームである
かつての日本の総理、田中角栄さんはこんなことを言いました。
必要なのは学歴ではなく学問です。 学歴は過去の栄光。 学問は現在に生きています。
ぜひ、仕事においても貢献領域が広がり、やりがいにつながるような学びを継続していきたいと感じさせてくれる言葉です。
5. 人の可能性を拓く会社として
「株式会社アルヴァスデザインは人材ビジネスを通じて人の可能性を拓く」ということを掲げています。
人材開発、人材紹介、ワークショップ会場運営のいずれもビジネスパーソンの成長支援のための事業です。
他者の成長を支援する以上、我々自身も成長を続けなければなりません。 そのためには私たち自身が学び続ける姿勢は不可欠です。
6. 学びの補助は今年度も会社を挙げて実施
株式会社アルヴァスデザインは、「学び予算」という制度を設けており、学びましょうという言葉だけにならず、支援もしています。
その際の条件は3つだけです。
- 目的を持って学ぶ
- 最後まで学ぶ
- 学びを会社に還元する
これらを約束して頂ける方には領域制限を設けずに学習の投資(支援)をします。
この制度を設けて数年経過しますが、メンバーそれぞれが選択した学びにはやる気が高い状態で吸収してくれていますし、個々人の成長も極めて加速されたと感じます。
7. 学び予算を作って良かったと思えたこと
学び予算を設定し、メンバーそれぞれが自ら学びたいことを学んできました。
これによって、会社の成長にもつながったと嬉しく思います。
その1:テクノロジーの知見アップ
現在は、仕事とテクノロジーを切っても切り離せない時代と言えます。もちろん、株式会社アルヴァスデザインも例外ではありません。
そこで、最先端のテクノロジー国でもある中国の深センにまで視察に行き、テクノロジーを肌で感じてきました。
特に、人材開発事業では、IT企業さまをはじめ最先端のテクノロジーを駆使した営業活動を実施しているお客様も増えていきます。
このような状況下で、最先端のテクノロジーを学ぶことにより、育成コンテンツに役立てたり、講師登壇にも活かしたりしました。
また、私個人としては「価値」と「リスク」を考える良い機会にもなりました。
私たちは、何か新しいことを始めようとするときに、必ずリスクを考えます。そして、可能な限りリスクをゼロにしたいと思っている方も多いと思います。
しかし、リスクがゼロになっている頃には、価値もゼロになっていることも多いと言えます。そのため、「価値」と「リスク」を天秤にかけた際、「価値」が大きければ積極的に経営の意思決定をしていこうと思えました。
その2:部門間を超えた共通言語の醸成
現在、社内では学び予算で購入した書籍の読書会や勉強会も頻繁に実施されています。
特に、最近では人材開発・人材紹介・ワークショップ会場の3つの事業が越境して、相互理解をしたり、意見交換をしたりする機会も増えました。
部門は違っても、私たちが到達したい場所は、「営業が楽しいと感じることができる世界」です。
ビジョンの実現を念頭において、学びながら互いを理解し合う機会はとても貴重です。
部門間の連携が強化され、それがすぐにビジネスとしてカタチになることは難しいかもしれません。よく部門間のシナジーによって、利益を増やすという言葉も聞きますが、利益を増やすことを第一の目的とせずに事業を超えた関わりを持つことは非常に重要なのではないかと感じています。
その3:留学生の輩出
今年は、創業以来はじめて、留学生を社内から輩出することになりました。
メンバーの一人が、一年間休職し、イギリスのビジネススクールに通い、MBAの取得を目指します。
これは、メンバーそれぞれが学びたいと思っていることを選択したことによって生まれた結果です。
少なくとも、学び予算の設定が留学生の輩出に寄与することは、当初想定していませんでした。
このように、自由な学びの選択肢があることで、メンバーが他者の学びから刺激を受けることも、学び予算を設定して良かったと言えることです。
8. おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、「体系的に学び続ける」をテーマにお話しました。人材開発を生業にしている私たちにとって、学ぶということは日々考え続ける事柄です。だからこそ、相当な想いが重なり、このような長いコラムになってしまいました(これでも結構削ったのですが…笑)。
学びについて話をしたい、意見交換したい、アルヴァスデザインのこと知りたいという方とは、ぜひご一緒したいと思います。
また、本コラムによって、学ぶ意欲が少しでも高まれば嬉しく思います。
高橋 研
代表取締役 CVO
早稲田大学大学院理工学研究科終了後、株式会社ファンケルに入社。
その後、30歳を節目に営業の世界に飛び込み、多くの会社の教育支援に携わる。
2013年株式会社アルヴァスデザイン設立。2018年「実践!インサイトセールス(プレジデント社)」出版。