ALVAS JOURNAL

【第1回開催レポート】ドラッカーに学ぶ「人と組織のマネジメント対話会」 

他社との対話から、自社のマネジメントを問い直す
〜ITとコミュニケーション編〜

人と組織のマネジメントには、誰にでも当てはまる唯一の正解があるわけではありません。
知識や手法を学ぶだけでは、自社の現場で何を変えるべきかまでは見えてこないことがあります。

また、自社のなかだけで課題を考えていると、これまでの常識や慣習を前提にしてしまい、別の捉え方に気づきにくいこともあります。

そこでアルヴァスデザインでは、異なる業種や立場の方々が経験や課題を持ち寄り、対話を通じて自社のマネジメントを問い直す、全4回の「人と組織のマネジメント対話会」を企画しました。
本対話会のコンテンツは、PROJECT INITIATIVE株式会社 代表取締役の藤田勝利さんにご監修いただき、ドラッカーのマネジメントに関する考え方を一つの手がかりとして設計しました。

他社の視点に触れ、自社の常識を見つめ直し、明日からの実践につながる問いを持ち帰る場です。

全4回では、「ITとコミュニケーション」「マーケティング」「イノベーション」「会計とマネジメント」を取り上げ、人と組織のマネジメントをさまざまな角度から見つめ直します。

2026年7月2日、その第1回となる「ITとコミュニケーション編」を開催しました。

当日は、お客様7名と、オブザーバーとして早稲田大学の学生3名が参加しました。弊社からも代表取締役CVOの高橋研をはじめ、社内メンバーが加わり、業種や立場を越えた率直な対話が交わされました。

動画で見る、当日の様子と参加者の感想

本動画では、当日の会場の様子と、参加者へのインタビューを約2分にまとめています。
対話会の雰囲気や、参加者が終了後に感じたことを、実際の声とともにご覧ください。

ここからは、当日の対話で交わされた内容をもとに、どのような問いや気づきが生まれたのかをご紹介します。

マネジメントとは、管理ではなく、創造

「マネジメントとは、管理ではなく創造である」
この考え方が、今回の出発点です。

ドラッカーは、マネジメントを「人をして何かを生み出させること」と定義しました。そこには、新しい価値を生み出す創造的な役割と、維持・改善する管理者的な役割があり、いわゆる「管理」は、そのうちの一部にすぎません。

それでも、日々の現場では、進捗管理や数値管理、問題への対応に追われ、気づけば管理が中心になってしまうことがあります。

ある参加者は、こう漏らしていました。

「管理がマネジメントの一部なのは、頭では分かっています。創造ができなくても責められない一方で、管理ができていないと評価に響く。だから、どうしても管理に寄ってしまうのです」

「管理ではなく創造」と理解していても、日々の評価や役割のなかでは、管理を優先せざるを得ない。この実感を他社の参加者と共有し、自社のマネジメントを問い直すところから、対話会は始まりました。

第1回のテーマは「ITとコミュニケーション」

第1回では、ある営業現場を描いた2本のショートドラマを題材に、少人数のグループで対話しました。

一つの正解を教わるのではなく、「ドラマのなかで何が起きていたのか」「自分が上司ならどうするか」「自社でも同じようなことが起きていないか」を、それぞれの経験に引き寄せて考えていきます。

自社のなかだけで考えていると、組織内の常識や、これまでのやり方を前提にしてしまうことがあります。他社の考え方や実践に触れることで、自社では当然だと思っていたマネジメントのあり方を、異なる角度から見つめ直す時間となりました。

AIをどう使うかから、「人にしかできないことは何か」へ

「身の回りでは、どのようなITが使われていますか?」という問いに、両グループとも、話題はあっという間にAIへと集中しました。

「情報漏洩が怖い」「使えば効率化になると分かっていても、なかなか踏み込めない」。そんな声が上がる一方で、社内にAI活用を推進する部署があり、活用術のレクチャーを定期的に受けている、という企業もありました。

そうした対話のなかで、ある参加者から次のような意見が出ました。

「AIは、合格点なら出せる。でも、トップ層の営業になろうと思ったら、AIには出せない付加価値を、人が出さないといけない」

AIをどう使うかという議論は、次第に「人にしかできないことは何か」という問いへと深まっていきました。

ドラマが照らした、「伝える」と「伝わる」の差

その問いを深めたのが、2本のショートドラマでした。
1本目のドラマでは、上司は部下に、あるITツールを「使ってください」と伝えます。ツールの導入によって営業成績は上がり、業務も効率化されました。数字の上では成功です。

しかし、その後、部下は会社を辞めてしまいます。彼女は、お客さまとやり取りしながら自分なりの営業スタイルをつくることにやりがいを感じていました。上司は、その価値観を理解しないまま、仕事の一部をツールに置き換えてしまったのです。

2本目のドラマでは、上司はメンバーに「どう思う?」と感想や懸念を聞きながらツールの導入を進めます。

参加者からは、次のような意見が上がりました。

「問題は、ITツールを入れたことではない。マネージャーが、メンバーの変化に気づけなかったことだ」

表情から、その場の反応は分かるかもしれません。しかし、そのメンバーが仕事のどこにやりがいを感じ、何を大切にしているのか。そこまで理解できているでしょうか。

さらに、この回のリフレクションでは、ある参加者から、この日を象徴する言葉が語られました。

「伝えることと、伝わることは、違うのですね」

高橋からは、ドラッカーの考え方をもとに、次のような解説がありました。

「コミュニケーションとは、知覚、期待、要求であり、情報ではない」
「意思なき伝達は、人を動かさない」

情報を渡したからといって、コミュニケーションが成立したとは限りません。重要なのは、伝えた側が何を話したかではなく、受け手がどのように受け取ったかです。

ITは、情報を早く、正確に届けることを助けてくれます。しかし、受け取った人がどのように感じ、行動するかを、自動的に生み出してくれるわけではありません。

マネージャーに必要なのは、「伝えたか」を確認することではなく、「どのように伝わったか」を確かめることです。

1on1を進捗確認で終わらせないために

話は自然と、「では、現場でどう実践するか」という話へ進みました。そのなかで取り上げられたのが、1on1です。

本来はメンバーの考えや価値観に触れる時間のはずが、いつのまにか進捗確認の会議になってしまうことがあります。

ある参加者からは、部下20人を一人の管理職がすべて見るのではなく、5人に1人リーダーを立てる、という工夫が紹介されました。

マネージャーが「自分が全員を見なければ」と抱え込むのではなく、一人ひとりを見ることができる組織の仕組みに変える。他社の取り組みから、現場に持ち帰れる実践的な知恵が共有されました。

今回の対話会では、参加者の皆さんが、自社の実情や課題を率直に共有していました。

「自社では今、このような課題を抱えている」
「同じようなことが、実際の現場でも起きている」
「他社では、どのように対応しているのか」

実務に直結した悩みや取り組みが語られ、参加者同士が互いの経験から学ぶ時間となりました。

知識を得るだけではなく、他者の視点を通じて、自社の課題を再発見する。それが、本対話会で大切にしている学びのあり方です。

約2時間のプログラム終了後には懇親会を実施しました。グループや立場を越えた交流が生まれ、対話は席を移してからも続いていきました。

参加者の声

対話会終了後のアンケートでは、ご参加いただいた皆さん全員から、5段階評価で最高の「満足」とご回答いただきました。

 

上記に記載の内容の他、「グループを横断して話せる時間もほしかった」といった、次回に向けた前向きなご意見もいただきました。こうした声も大切に受け止め、今後の対話会へ生かしていきます。

 

AIが進むほど、問われるのは「人をどう見るか」

今回の対話から見えてきたのは、ITやAIが進むほど、マネージャーには「人をどう見るか」が問われるということです。

テクノロジーは、業務を効率化し、これまでできなかったことを可能にしてくれます。一方で、メンバーが何を大切にし、仕事のどこにやりがいを感じ、何を不安に思っているのかを理解することは、人と人との対話を通じて初めて可能になります。

ITやAIの導入そのものが、組織変革の目的になるわけではありません。重要なのは、テクノロジーによって生まれた時間や情報を、人への理解や対話、よりよい意思決定にどう生かしていくかです。

今回の対話会では、次のような問いが生まれました。

  • AIやITに任せることと、人が担うことをどう分けるか
  • 業務効率化と、仕事のやりがいをどう両立するか
  • 「伝えた」で終わらず、「伝わった」状態をどうつくるか
  • メンバー一人ひとりを理解できる組織の仕組みを、どうつくるか

これらの問いに、唯一の正解があるわけではありません。だからこそ、他社の実践や異なる立場の考え方に触れ、自社の現場に引き寄せながら考え続けることに意味があります。

知識を得るだけで終わらない学びの場へ

アルヴァスデザインでは、人材開発の目的は、研修を実施することそのものではないと考えています。

大切なのは、そこで得た知識や気づきを自社の課題に照らして問い直し、現場で必要な行動が生まれ、その行動が継続していくことです。

今回の対話会でも、考え方を一方的に伝えるのではなく、参加者同士の対話を通じて、自社のマネジメントに引き寄せて考えることを大切にしました。

本対話会は、今後も「マーケティング」「イノベーション」「会計とマネジメント」をテーマに続きます。各回の終了後には開催レポートを公開し、全4回終了後には、対話から生まれた問いや現場実践への示唆をまとめたレポートも公開する予定です。

立場や業種を越えて学び合い、自社のマネジメントを見つめ直す。アルヴァスデザインは、こうした対話の場をこれからも大切にしていきます。

次回以降のご案内:対話会は「マーケティング編」へ続きます

今回の対話会で生まれた問いに、唯一の正解はありません。だからこそ、他社の実践や異なる立場の考え方に触れながら、自社の現場に引き寄せて考え続けることに意味があります。本対話会は、今後も次のテーマで開催します。

【今後の開催スケジュール】

第2回 マーケティング編【満席となりました】
2026
年8月4日(火)18:30~21:30
“ただ売る”のではなく、「顧客を深く理解する」とは何かを探求します。

第3回 イノベーション編【残席わずか】
2026
年9月3日(木)18:30~21:30
変化の時代において、組織はいかにして新たな価値を生み出し続けるのかを探求します。

第4回 会計とマネジメント編【残席わずか】
2026
年10月1日(木)18:30~21:30
数字を「管理」のためではなく、“意思決定”のためにどう活かすかを学びます。

会場:アルヴァスデザイン新橋ワークショップ会場(新橋駅 徒歩1分)
参加費:2,000円(税込)/回 ※1社につき3名様までご参加いただけます

<このような方におすすめです>

・管理職育成や次世代リーダー育成を担当している人材開発・人事部門の方
・管理職研修が、知識やスキルの習得だけで終わっていると感じている方
・部下とのコミュニケーションや1on1に課題を感じているマネージャーの方
・他社のマネジメント事例から、自社の取り組みを見直したい方
・自社のなかだけでは得にくい、新しい視点や問いを求めている方

<参加して持ち帰れること>

本対話会は、知識を教わる場ではなく、他社との対話を通じて自社を見つめ直す場です。ご参加いただくと、次のようなものを持ち帰っていただけます。

・自社のマネジメントを、異なる角度から見直す視点
・他社の管理職や人材開発担当者が実践している工夫
・ドラッカーの原則を手がかりに、自社の課題を整理するための問い
・1on1や部下との対話を、現場で見直すためのヒント

第1回では、こうした気づきが参加者全員の「満足」という評価につながりました。持ち帰った問いは、ご自身のマネジメントが管理に偏っていないかを振り返るきっかけや、AI・IT活用の進め方を見直す材料として、現場でご活用いただけます。

第2回はおかげさまで満席となりました。第3回・第4回も残席わずかとなっていますので、ご興味をお持ちの方は、お早めにお申し込みください。

▼お申込みはこちらから
第3回・第4回のお申込みページはこちら

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