完訳 7つの習慣 人格主義の回復(スティーブン・R.コヴィー 著 2013年 キングベアー出版)【全4回】名著:7つの習慣から学ぶ、営業にとって本当に大切なこと ~第三回:公的成功:第4の習慣~第6の習慣~
こんにちは。石井です。
今回のトップセールスの本棚では、「完訳 7つの習慣」をご紹介します。
全4回に分けて、「7つの習慣」に関して連載しており、今回が第3回目になります。
>第2回のコラムはこちら
本記事では、「公的成功」である第4~6の習慣をお伝えします。
※弊社、株式会社アルヴァスデザインは、フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社と共同で、7つの習慣®Forセールスパーソンという研修をリリースしています。
「7つの習慣と営業」に関しては、研修実施も通して多くのノウハウがあるため、本記事にてご紹介していきます。
第一回:7つの習慣の基本概念
第二回:私的成功:第1の習慣~第3の習慣
第三回:公的成功:第4の習慣~第6の習慣 ← 今回のコラムはこちら!
第四回:再新再生:第7の習慣
目次
1. 前回の復習
前回は、第1~3の習慣までをお伝えしました。
第1の習慣とは、「主体的である」です。
営業活動をしていると、あらゆる「刺激」があります。その「刺激」と「反応」の間には、「選択の自由」があるということをお伝えしました。
第2の習慣とは、「終わりを思い描くことから始める」です。
「どういう人生でありたいのか」、「営業として何に貢献したいのか」というような問いに向き合い内省することで、日々の仕事への活力が変わります。そのためにも、自身の人生の終わりを考えることが、自身に向き合うことになるのです。
第3の習慣とは、「最優先事項を優先する」です。
営業活動の中では、つい「緊急度」が高い仕事を優先しがちです。しかし、緊急度は低いが重要度が高い仕事も存在します。自身の仕事時間は限られています。その中で、「重要度」が高い仕事を優先させることも大切です。
以上、第1~3の習慣です。詳しく知りたい方は、ぜひ前回のコラムをご確認ください。
>第2回のコラムはこちら
それでは今回のコラムの本題、第4~第6の習慣について見ていきましょう。
まずは第4の習慣からです。
2. 第4の習慣:Win-Winを考える
第4の習慣は、「Win-Winを考える」です。
営業現場では、よく「どうやって売上を作るんだ?どこに売るんだ?」というような声が聞かれると思います。
上司から、このような声をもらった部下のGさんとHさん。さてどのような思考になったでしょうか。Gさん、Hさんともに、とあるシステムを販売している営業として具体例をみてみましょう。
Gさんの思考・・・
売上をとにかくあげなければならない。そうだ、あのお客さんなら、システムのことよくわかってないしな・・・なんとか押せばハンコとサインくらいもらえそうだな。よし、アプローチしよう。
Hさんの思考・・・
そうか、売上を作らないといけない。ただ、私が営業をしているのは、お客様の○○に貢献するためなんだよな。つまり、システムを販売することで、お客様の□□が達成されなければならないのだ。どうすれば、お客様の「ありたい姿」が達成されるのか、もう一度考えよう・・・そうでないと、販売した後にお互い良い想いをしないな。
いかがでしたでしょうか。
Gさんは、売上を作るためにお客様に押し売りしようという思考に対して、Hさんは、お客様と自分たちの双方にとってメリットがあることを思考しています。たしかに、Gさんの思考の方が、短期的には売上を出せるかもしれません。
しかし、その思考では、お客様の関係性は長く続かず、結果としてHさんの方が選ばれる営業になると言えます。
このように、営業のシーンでは、Win-Winを考えて仕事をすることが、お客様との中長期的な関係性を構築する上で、極めて大切であると言えるのです。
3. 第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される
第5の習慣は、「まず理解に徹し、そして理解される」です。
営業活動は、お客様とのコミュニケーションの上で成り立っています。お客様とのコミュニケーションを大きく分類すると、『営業からお客様に何かを提供する』か、『お客様から営業に何かを提供するか』の2つです。
例えば、商談の中では、営業からお客様に何かを伝えるか、お客様から営業に何かを伝えるかの2つによってコミュニケーションが成り立っています。
第5の習慣を営業シーンに置き換えて考えると、
「まず、営業がお客様の理解に徹する。そして、お客様から営業が理解される」
という順序になるのです。
営業は経験を積むことで、営業トークにも磨きがかかり、つい話過ぎてしまうということも少なくありません。しかし、営業として大切な大原則は「お客様を深く理解する」ということです。
お客様は、「自分のことを理解してくれていない営業の話は聞きたくないし、提案も受けたくない」と思っています。
営業として、まずは「お客様を理解する」ということを最優先で動いていきましょう。
4. 第6の習慣:シナジーを創り出す
第6の習慣は、「シナジーを創り出す」です。
営業担当者にとって、自社の商品やサービスを販売することは大きなミッションの1つです。「営業とは、商品やサービスを売る仕事だ!」と捉えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、これからの営業は「シナジーを創り出す」ことで価値が高まると言えます。
現代の日本のマーケットでは、多くの商品やサービスがコモディティ化しつつあります。
つまり、商品やサービスだけで差別化が難しいのです。このような状況で、お客様に商品やサービスを販売するためには、「営業力」が欠かせません。
では、その「営業力」とは何か?私は、「営業力」の1つの大切な要素に「シナジーを創り出す」があると思っています。
商品やサービスを販売した後、お客様の仕事にどのような変化が生まれるのかを説明できる営業は多くいます。
しかし、商品やサービスを販売する以前に、お客様のありたい姿を共に描き、お客様と自社だからこそ創造できる未来をイメージし、アイデアを出すことができる営業はほとんどいません。
商品やサービスを販売するだけでは、単なる「モノ売り」です。
しかし、お客様の未来を描き、お客様と自社でしか作り出せない将来に対して、商品やサービスを販売する「コト売り」こそが、これからの世の中では求められるのではないでしょうか。
これこそが、今話題の「インサイトセールス」というものです。
ご存知のない方は、7つの習慣に加え、こちらもご覧ください。
5. おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、第4~6の習慣をお伝えしました。
いずれも営業シーンに照らし合わせて、具体的な事例をお伝えしました。少しでも、7つの習慣と営業の関連性が理解でき、明日からの営業活動に活かせることがあれば大変嬉しく思います。
次回は、4回連載してまいりました7つの習慣の最終章「第7の習慣:刃を研ぐ」をお伝えします。
第一回:7つの習慣の基本概念
第二回:私的成功:第1の習慣~第3の習慣
第三回:公的成功:第4の習慣~第6の習慣 ← 今回のコラムはこちら!
第四回:再新再生:第7の習慣
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【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。