ALVAS JOURNAL

意思決定の前に知って得する8つの欠陥

こんにちは、石井です。

私は、2017年より株式会社アルヴァスデザインにジョインしたメンバーで、営業・教育コンテンツ開発・講師登壇、そしてマーケティングなど幅広く仕事をしていきました。

現在は、イギリスにあるリーズ大学のビジネススクールのMBAコースに留学しています。留学期間は、2022年9月から約1年間です。

こちらの留学レポートは、不定期に更新し、イギリス現地のMBAコースでの学びや、国際交流などを配信していく予定です。

過去の記事はこちらです。

リーズ大学MBAの留学記スタートします。
寮の様子を公開しています。
「MBAでどのように学ぶのか」を学ぶ:その1
「MBAでどのように学ぶのか」を学ぶ:その2
キャリアを考える①:キャリアをどう考えるか?
キャリアを考える②:今の時代、履歴書はAIでチェックされると思いなさい。
ケーススタディで意識すべきこと①
ケーススタディで意識すべきこと②
意思決定の際に意識したいファスト&スロー
専門家になる必要はないけど知らないといけないアカウンティング&ファイナンス

目次

    1. 日常は意思決定の連続

    前回の「意思決定」のコラムでもお伝えしたように、私たちは生きている中でさまざまな意思決定の機会を経験します。

    その中で、知識として身に付けておきたい2つの思考についてお伝えしました。本のタイトルにもなっているファストとスローです。

    ※書籍は、「ファスト&スロー上・下(ダニエル・カーネマン著 2014年 ハヤカワ・ノンフィクション文庫)」です。

    簡単にお伝えすると、システム1とシステム2という思考があります。

    システム1は…

    • スピーディー
    • 努力いらず
    • 自動的

    に意思決定をしていきます。

    システム2は…

    • 遅い
    • 努力が必要
    • 論理的

    に意思決定をしていきます。

    何も意識しないと、日々のビジネスの大切な意思決定もシステム1に依存して、直感的に意思決定をしてしまうことになります。

    確かに、直感も大切です。しかし、直感だけに頼った意思決定にミスはないのか?を落ち着いて考える(システム2を発動する)ことも重要であるという認識をしておくべきです。

    2. 意思決定の8つの欠陥

    クラスでは、私たちが意思決定をする際にはまりやすい8つの欠陥を学びました。こちらは、本書の引用になり、私の解釈を含めて日本語訳していることをご了承の上、お読みください。
    (引用元:Roxburgh (2003). Hidden flaws in strategy. McKinsey Quarterly, 2, P.26 – 40)

    ・欠陥1:Overconfidence(自信過剰)

    【意味】正当性よりも自分自身の確信に基づいて判断すること

    【例】過去に体験した成功が確信に変わり、現状を深く分析することなく、成功したときの行動を繰り返し実行すること

    ・欠陥2:Mental accounting(メンタルアカウンティング)

    【意味】お金に関して、無意識のうちにカテゴリー分けをして支払いをしていること

    【例】ギャンブルで一儲けしたお金と働いた給与としてのお金では、使うときに感覚が異なり、前者の方は簡単にお金を使ってしまうが、後者の場合は使用すべきか考えてしまうこと

    ・欠陥3:The status quo bias(現状維持バイアス)

    【意味】現在の状況を維持したいと思うこと

    【例】現在使っているシステムを新しいものに刷新する際に感じる現状のものを変えたくないと思う気持ちのこと

    ・欠陥4:Anchoring(アンカリング)

    【意味】最初に提示された数字に影響を受けて、その後の数字を見てしまうこと

    【例】値引き前の数字を見て、50%安くなっていることがわかると、その商品を安く感じてしまうこと

    ・欠陥5:The sunk-cost effect(サンクコスト効果)

    【意味】投資したお金の元を取ろうとして、その事業を続けようとする気持ちのこと

    【例】多額の資金をプロジェクトにつぎ込んだ場合、途中で成功しないかもと感じても、最後まで続けたいと思ってしまうこと

    ・欠陥6:The herding instinct(群本能)

    【意味】他人の意見や行動に同意したいと思うこと

    【例】何かを決めるときに論理性や正当性ではなく、仲間の意見に同意してしまうこと

    ・欠陥7:Misestimating future hedonic states(苦楽の誤推測)

    【意味】苦楽について誤った推測をしてしまうこと

    【例】何か良いことがあると、それが将来も続くであろうと仮定して決めごとをすること

    ・欠陥8:False consensus(誤った同意)

    【意味】自分にとって良い情報を取り込み、他者が同意したものだと思ってしまうこと

    【例】チームでプロジェクトを動かす際に、プロジェクトマネージャーがメンバーの意見に対して、自分の都合の良い風に解釈して、物事を進めてしまうこと

    3. どのように8つの欠陥を乗り越えるのか

    8つの欠陥に対して、皆さんはどのようにアプローチしますか?

    これから先は、次回以降のクラスでディスカッションするテーマなので、現時点での個人的な見解を記します。

    その1:時間をあける

    一定の時間を設けて、より冷静に判断をすることで欠陥を克服する。

    その2:自分の特徴を知る

    過去の自分の意思決定を振り返り、8つの欠陥のどこにはまりやすいかを認識する。

    その3:チームメンバーの特徴を知る

    上司を含めて、メンバーがどのように意思決定をするのかを「その2」同様に認識する。

    その4:第三者に相談する

    自分の意思決定が正当かどうかを、本意思決定に無関係の第三者から意見をもらうことで、より客観的な意思決定をする。

    ぜひ、皆さんも考えてみてください。

    4. おわりに

    いかがでしたでしょうか。

    今回は、意思決定に関しての8つの欠陥をメインにお伝えしました。どれも、無意識のうちに陥ってしまうものばかりですよね。

    これを機に、私も意思決定を見直していきたいと思っています。皆さんも、8つのうちで当てはまると感じるものがあれば、ぜひ内省してみてください。

     

    ~イギリスであったこんなこと⑪~

    イギリスに限らない話かもしれませんが、クラス前の事前課題の量はそこそこあります。特に、イギリスは一年間で修士号を取得できるため、カリキュラムが詰め詰め状態です。

    どのくらいの事前リーディングかというと、1つのクラスで「パワポ50枚」「ケーススタディ」「教科書50ページ」くらいです。これが、週に5クラスくらいあるため、ハードです。

    ただ、周りも見ていて感じることですが、日本人はとてもハードワーカーが多く、慣れてしまえば何とかなるはずです。(自分はまだ慣れていません。笑)

    石井 健博

    ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
    営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
    趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。

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