ALVAS JOURNAL

【エッセンシャル版】マネジメント基本と原則⑬(ダイヤモンド社 2001年 P・F・ドラッカー著 上田惇生編訳)~組織マネジメントの要諦とは?~

こんにちは、石井です。

これまで複数回にわたって、P・F・ドラッカーの「エッセンシャル版 マネジメント基本と原則」を取り上げています。

本日は13回目として、「組織マネジメントの要諦」を考えていきます。

 

ドラッカーのマネジメントは、ややアカデミック性が高く、現場で応用するには一定の障壁があると考えられていることもあります。

そこで今回は、ドラッカースクールを卒業生である藤田勝利氏の著作ドラッカースクールで学んだ本当のマネジメント(日経BP 2021年)も参考にしながら読み解きます。

第1回:マネジメントの基本と原則とは?
第2回:企業の目的とは?
第3回:戦略計画とは?
第4回:仕事の生産性とは?
第5回:仕事の働きがいとは?
第6回:マネジメントとチーム作りとは?
第7回:マネージャーの2つの役割とは?
第8回:マネージャーの5つの仕事とは?
第9回:マネジメント人材の開発とは?
第10回:目標管理をする上で大切なことは?
第11回:自己管理をする上で大切なことは?
第12回:新種のミドルマネジメントとは?

 

目次

1. ミドルマネジメントの役割(前回のあらすじ)

現代ビジネスにおいては、知識による価値の創造が欠かせません。ドラッカーは、一貫して「知識で仕事をする人(=ナレッジワーカー)」の存在を重要視してきました。

伝統的なミドルは「命令する人」だった。これに対して、新種のミドルは「知識を供給する人」である。

このようにドラッカーは、本書で言葉を残しています。

つまり、画一的な仕事があった過去のマネジメント(指示・命令)とは異なり、メンバーに知識を供給し、新しい価値を生み出すことがマネジメントには求められているのです。

これは、「マネジメントは管理(=コントロール)ではなく、創造である」というドラッカー学会理事の藤田勝利氏の言葉にもつながっています。

2. 組織マネジメントをする上での前提

ドラッカーは、組織マネジメントをする上で「天才に頼ること」を否定しています。

天才とは解釈が分かれる言葉ですが、ドラッカーの下記の言葉から推察すると、天才とは組織で突出した成績を残す人も該当するでしょう。

組織の目的は、凡人をして非凡なことを行わせることにある。

本コラムでも繰り返し述べてきたように、ドラッカーは、「人の強み」を活かすことにフォーカスしています。

これを言い換えると、凡人の強みを結集させ成果を生み出すことが組織マネジメントの醍醐味なのでしょう。

決して、組織の中にいる飛び抜けた成績を出す人(≒天才)に頼ることのないマネジメントが重要なのです。

3. 組織マネジメントの4つのポイント

ドラッカーは、組織マネジメントをする上で4つのポイントを述べています。

・その1:成果にフォーカスする

組織は長期的な成果を生み出すために、一致団結しなければなりません。

その成果とは、高度な基準を要求するものでなければならないというのが、ドラッカーの主張です。

これを裏返すと、失敗や過ちは付き物であるということです。つまり、必ず成功するかわからないものにチャレンジをすることの重要性を説いているわけです。

まちがいや失敗をしない者を信用してはならない。

ドラッカーはこのような強いメッセージを述べています。

これほど、組織は高い目標を目指し、そして失敗を繰り返しながらも成果を創出するために動いていくべきなのです。

・その2:機会を捉える

ドラッカーは、「機会」という言葉を多用しているように感じます。これと対比する言葉は、「問題」や「脅威」でしょうか。

組織をマネジメントする上で、ドラッカーは「機会」にフォーカスすることで組織のメンバーの精神を高く保つことができると主張しています。

反対に、ドラッカーが否定する「問題」にフォーカスするチームとは、そこで成長がストップしてしまう組織のことです。

つまり、過去に最も素晴らしい時代があったと捉え、それを保持しようとする守りの組織なのです。

・その3:人事の決定は組織の価値観を重視する

人事の決定とは、配置、評価、昇格、採用、解雇などさまざまな要素があります。このどれについても、ドラッカーは「数字に見える以上に大きな影響がある」としています。

つまり、人事の意思決定いかんによっては、売上や利益、行動指標となるKPIなどに反映される「以上」に大きな影響を会社に及ぼすとしているのです。

そのため、会社は人事の意思決定に集中し、組織の価値観や信条に沿って実行しなければならないのです。

・その4:人事の決定は真摯さこそが大切である

人事の意思決定において、外すことができない要素が「真摯さ」です。ドラッカーは下記の言葉を残しています。

真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。

いかがでしょうか。

ドラッカーは、マネジメントにいかなるときも「真摯さ」を求めているのです。具体的には、「強みにフォーカスすること」や「誰が正しいかよりも何が正しいかを考えられること」などが真摯さの要素にあげられます。

4. おわりに

いかがでしたでしょうか?

本日は、ドラッカーの組織マネジメントについて考えてみました。

「強い組織を作ること」を目指したいマネージャーは多い一方で、これに悩むマネージャーも非常に多いと思います。

特に、新型コロナウイルスの発生以降、リモートワークも典型化し、人と人とのつながりをどのように創り出していくのかを考えるマネージャー陣も多いのではないでしょうか。

ドラッカーの組織マネジメントの分野からは、自組織をどのように作りマネジメントしていくのかのヒントを得ることができると思います。

次回は「マネジメントの意思決定」を考えていきましょう。
>【エッセンシャル版】マネジメント基本と原則⑭(ダイヤモンド社 2001年 P・F・ドラッカー著 上田惇生編訳)~マネジメントの意思決定~

 

本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒【エッセンシャル版】マネジメント基本と原則(ダイヤモンド社 2001年 P・F・ドラッカー著 上田惇生編訳)

〇トップセールスの本棚とは?
【毎週月曜日配信】弊社の社員はじめ、トップセールス経験者が厳選した本をご紹介しています。
営業におけるスキルのみならず、幅広い視点から営業を捉えていたりもします。
ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。

石井 健博

ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。

RELATED ARTICLES よく読まれている記事

外部の視点からお客様に
クリティカルな意見を言う。
そういう営業は
これからも生き残る。