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【エッセンシャル版】マネジメント基本と原則⑯(ダイヤモンド社 2001年 P・F・ドラッカー著 上田惇生編訳)~マネジメントと管理~

こんにちは、石井です。

これまで複数回にわたって、P・F・ドラッカーの「エッセンシャル版 マネジメント基本と原則」を取り上げています。

本日は16回目として、「マネジメントと管理」を考えていきます。

ドラッカーのマネジメントは、ややアカデミック性が高く、現場で応用するには一定の障壁があると考えられていることもあります。

そこで今回は、ドラッカースクールを卒業生である藤田勝利氏の著作ドラッカースクールで学んだ本当のマネジメント(日経BP 2021年)も参考にしながら読み解いきます。

第1回:マネジメントの基本と原則とは?
第2回:企業の目的とは?
第3回:戦略計画とは?
第4回:仕事の生産性とは?
第5回:仕事の働きがいとは?
第6回:マネジメントとチーム作りとは?
第7回:マネージャーの2つの役割とは?
第8回:マネージャーの5つの仕事とは?
第9回:マネジメント人材の開発とは?
第10回:目標管理をする上で大切なことは?
第11回:自己管理をする上で大切なことは?
第12回:新種のミドルマネジメントとは?
第13回:組織マネジメントの要諦とは?
第14回:マネジメントの意思決定とは?
第15回:マネジメントとコミュニケーションとは?

 

目次

    1. マネジメントとコミュニケーションとは?(前回のあらすじ)

    ドラッカーは、「コミュニケーション」について下記の言葉を残しています。

    コミュニケーションとは、①知覚であり、②期待であり、③要求であり、④情報ではない。

    このメッセージの背後にあることは、コミュニケーションは受け手が主体であるということです。発信側は、受け手の価値観や期待にあわせたメッセージを出さなければなりません。

    その上で、コミュニケーションが成り立ち、チームが良い方向に進むようになるのです。

    2. 管理について

    どの職種においても、何かしらを「管理する」仕事があります。

    例えば、営業現場ではKPIを設定し、その進捗を確認する仕事があります。

    ドラッカーは、管理手段において7つの要件を述べています。

    1つずつ確認していきましょう。

    ▼その1:効率性

    ドラッカーは、管理のための最小限の情報を突き止めることの重要性を説いています。つまり、何かを管理する際には、あれもこれもとならずに、特定の項目に絞った管理が大切なのです。

    ▼その2:意味

    管理の対象となるものは、重要なものでなければ意味がありません。

    つまり、ビジネスをする上で肝となる数字やデータ、行動を対象とすべきなのです。いくら精緻に管理できたとしても、その対象が意味をなさないものでは本末転倒です。

    ▼その3:測定の対象

    ドラッカーは、下記の言葉を残しています。

    管理手段は測定の対象に適していなければならない。これは、管理手段の要件として重要でありながら、その設計にあたってもっとも守られていない要件である。

    いかがでしょうか?

    このメッセージの背景には、測定の対象がきちんと精査されており、かつそれを測定することで、何かしらのイシュ―を解決できるかどうかを見定める必要があることを述べています。

    ▼その4:精度

    私の個人的な解釈ですが、ドラッカーは「数字やデータに偏重した管理を否定している」と思います。

    本書においてドラッカーは、下記の言葉を述べています。

    正確な測定が困難であり、幅をもってしか評価できないという情報こそ重要である。

    いかがでしょうか?

    この背景には、たとえ数字やデータで表現できないものであっても大切なことがあり、一方でたとえ数字やデータで示せても何の意味もなさないものもあるという事がうかがえます。

    例えば、市場のシェアが6%アップしたと説明を受けたところで、数字の信憑性が高くても、それから読みとめることが精緻でなければ全く意味を成しません。

    このような意味で、ドラッカーは単なる数字やデータに偏重した管理ではなく、現場感も大切にしているのではないでしょうか。

    ▼その5:時間間隔

    ドラッカーは制度と合わせて、時間間隔の重要性を述べています。

    頻繁な報告がよりよい管理を意味するわけではない。かえって管理を無効にする。

    いかがでしょうか?

    例えば、営業現場で毎日のように数字管理をすることは、メンバーに短期的な販売を強要し、お客様との関係を損なわせ、長期的な利益を逸失するきっかけになるかもしれないのです。

    ▼その6:シンプル

    管理の対象は、それに関わる全ての人が理解できるものでなければなりません。複雑化すぎるものは、かえってメンバーの混乱を招くかもしれません。

    加えて、マネジメント層は、メンバーに対して管理の内容を理解するようにコミュニケーションをしなければならないのでしょう。(メンバーに対してのコミュニケーションの記事はこちら。)

    ▼その7:行動

    最後に、管理の目的についてドラッカーは下記の言葉を残しています。

    管理の目的は情報収集ではなく行動である。

    いかがでしょうか?

    私たちは、何かを管理するときに「意味」を持たなければなりません。つまり、何かしらの行動につながるための管理でなければならないのです。

    3. おわりに

    いかがでしたでしょうか?

    本日は、ドラッカーのマネジメントの管理について考えてみました。

    どの職種であっても、マネジメント層は、何かしらを管理する仕事があるはずです。

    その際に、ドラッカーが提唱した管理の7つの要件は大変参考になると思います。1つ1つを確認し、現場での実践にお役立てください!

    次回はマネジメントと組織の条件を考えていきましょう。

     

    本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒【エッセンシャル版】マネジメント基本と原則(ダイヤモンド社 2001年 P・F・ドラッカー著 上田惇生編訳)

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    石井 健博

    ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
    営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
    趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。

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