【エッセンシャル版】マネジメント基本と原則⑰(ダイヤモンド社 2001年 P・F・ドラッカー著 上田惇生編訳)~マネジメントと組織の条件~
こんにちは、石井です。
これまで複数回にわたって、P・F・ドラッカーの「エッセンシャル版 マネジメント基本と原則」を取り上げています。
本日は17回目として、「マネジメントと組織の条件」を考えていきます。
ドラッカーのマネジメントは、ややアカデミック性が高く、現場で応用するには一定の障壁があると考えられていることもあります。そこで今回は、ドラッカースクールを卒業生である藤田勝利氏の著作「ドラッカースクールで学んだ本当のマネジメント(日経BP 2021年)」も参考にしながら読み解いきます。
第1回:マネジメントの基本と原則とは?
第2回:企業の目的とは?
第3回:戦略計画とは?
第4回:仕事の生産性とは?
第5回:仕事の働きがいとは?
第6回:マネジメントとチーム作りとは?
第7回:マネージャーの2つの役割とは?
第8回:マネージャーの5つの仕事とは?
第9回:マネジメント人材の開発とは?
第10回:目標管理をする上で大切なことは?
第11回:自己管理をする上で大切なことは?
第12回:新種のミドルマネジメントとは?
第13回:組織マネジメントの要諦とは?
第14回:マネジメントの意思決定とは?
第15回:マネジメントとコミュニケーションとは?
第16回:マネジメントと管理とは?
目次
1. マネジメントと管理とは?(前回のあらすじ)
ドラッカーは、管理手段において7つの要件を述べています。
それは、「効率性」「意味」「測定の対象」「精度」「時間間隔」「シンプル」「行動」です。
管理をする上では、測定の対象が明確であり、実行することによって意思決定が促進されたり、メンバーの行動がより良いものに促されたりしなければなりません。
また、ドラッカーは管理をする上では、数字やデータだけに偏重せず、そこから見える洞察を大切にしています。例えば、売上10%アップという数字そのものよりも、そこから何を見抜くかの方が大切なのです。
2. 組織の条件
ドラッカーは、組織の条件について7つの提言をしています。本コラムでは、その中で3つをご紹介します。
▼その1:経済性
まず注意したいことは、この経済性というものの英語です。私の解釈と推察が入りますが、恐らくこれはEconomyではなくEfficiencyが元の英語です。
そのため、どちらかというと、「経済性」という言葉よりも「効率性」や「能率性」の方がしっくりとくる日本語だと思います。
具体的に、ドラッカーは下記の言葉を残しています。
人を成果に向けて動かすために必要なものは少なければ少ないほどよい。
つまり、優れた組織においては、自らをマネジメントし成果を創出していくメンバーが集う必要があるのです。(セルフマネジメントについてはこちら。)
▼その2:意思決定の容易さ
組織として会社を分けている以上、その組織の中でさまざまな意思決定が実施され、それによって成果を創出しなければなりません。
組織を分けるということは、すなわち意思決定を円滑化することになるのでしょう。(マネジメントの意思決定についてはこちら。)
▼その3:永続性と新陳代謝
ドラッカーは、組織が変化をして存続することの大切さを述べています。そうするために大切なことは何でしょうか。ドラッカーは、下記の言葉を残しています。
組織は、明日のリーダーを内部から調達しなければならない。
いかがでしょうか?
組織を急速に拡大する際には、マネジメント層やリーダー層を採用することは必要かもしれません。しかし、本来的な意味で大切なことは彼らを組織から生み出すことなのです。
マネジメント層の仕事の1つは、部下メンバーの育成です。つまり、内部から次世代リーダーが輩出されないとき、マネジメント層は1つの仕事を遂行できていないのです。
3. おわりに
いかがでしたでしょうか。
本日はマネジメントと組織の条件をお伝えしました。
組織は成果を生まなければなりません。そのために、マネジメント層は仕事を能率的に遂行できるチームを作らなければなりません。同時に、次世代のリーダーを輩出することもマネジメント層の大切な仕事の1つなのです。
ドラッカーは、7つの提言をしています。本コラムでは3つに限定しておりますので、他が気になった方はぜひ本書をお読みください。
次回はトップマネジメントを考えていきましょう。
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ぜひ、営業パーソンにとどまらず様々な職種の方にも読んでいただきたいです。
石井 健博
ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。