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陽明学のすすめ~経営講話「抜本塞源論」~(深澤賢治著 2005年 明徳出版社)~陽明学を現代の経営に活かす~

こんにちは、石井です。

本日から、「陽明学のすすめ」というシリーズ本(計8冊)をご紹介していきます。

早速ですが、陽明学という学問を聞いたことはありますか?

陽明学とは、中国の明代に、王陽明という人物がおこした学問の1つです。

この学問は、時代を経てもなお、多くのビジネスパーソンに愛読されています。特に、陽明学からの学びを経営に活かして大活躍されている方も多いと言われています。

今回は、「陽明学のすすめ」シリーズの第一回として、経営講話「抜本塞源論」をお伝えします。

第一回:経営講話「抜本塞源論」←今回のコラムはこちら!
第二回:人間学講話「安岡正篤・六中観」
第三回:山田方谷「擬対策」
第四回:人間学講話「河井継之助」
第五回:人間学講話「渋澤栄一」
第六回:人間学講話「三島中洲・二松學舍創立者」
第七回:人間学講話「佐藤一斎」
第八回:人間学講話「中江藤樹」

 

目次

    1. 王陽明とは?

    王陽明は、1472年浙江省に生まれました。亡くなる1528年(享年57歳)までに、多くの学を残した人物です。

    本著では、王陽明のことを下記のように紹介しています。

    陽明は哲学者であり、詩人であり、書家であり、教育者であり、また高い行政能力を有する高級官史であり、更に武功輝かしい軍人でもありました。

    王陽明は、「右手に剣、左手に書物」という言葉を残したように、文武を兼ねた自分であったのです。

    日本では、陽明学を活かして大活躍した渋沢栄一が「右手に算盤、左手に論語」という言葉を残したことが有名です。

    特に、彼の「論語と算盤」は今でも大人気のビジネス書であり、トップセールスの本棚でもご紹介させていただきました。気になる方はこちら。
    >現代語訳 論語と算盤(渋沢栄一 2010年 ちくま新書) 不透明な時代を生き抜くバイブル!営業パーソン必見の書!

    2. 立志とは何か?

    立志とは、「志を立てる」ことです。では、それはどのような状態のことを指すのでしょうか。

    本著では、

    陽明学における立志とは、すでに飛び上がってしまった状況

    と、立志のことを説明しています。

    つまり、何かをやろうと決めるだけではなく、すでに行動が伴っていることが、陽明学でいうところの立志なのです。

    渋沢栄一が立志について語っている書物も、こちらでご紹介しています。
    >立志の作法 成功失敗をいとわず(渋沢栄一著 2010年 国書刊行会)

    3. 王陽明が残した3つの言葉

    王陽明の言葉は、数多く残っており、現代でもビジネスパーソンの指針になり得ます。今回は、残した言葉の中でも、特にビジネスに直結する3つの言葉をご紹介します。

    その1:知行合一(ちこうごういつ)

    知行合一とは、「知」っていることと、「行」動が合致していることを指します。

    私たちビジネスパーソンは、さまざまな知識を学ぶことで成長することができます。現代では、多くの書籍をはじめ、インターネットを活用すれば多くの学びを無料で手にすることも可能です。

    ただ、こういった状況でこそ、「知行合一」という言葉の問いかけを確認したいものです。

    得られた知識と、行動は結びついているでしょうか?

    常に、何かを学ぶときには、行動も伴っているか考えたいものです。

    その2:事上磨錬(じじょうまれん)

    事上磨練とは、常に自分を高め磨き上げることやその習慣のことを指します。

    私たちビジネスパーソンは、変化の激しい時代を生き残るために、常に学びを継続しなければなりません。

    学びとは、本を読む、研修に参加するといったこともそうですが、実際の仕事から学びを得ることも大切と言えます。自身の仕事を振り返り、更に成長していく姿勢を持つことは、いつ何時も大切と言えるでしょう。

    その3:致良知(ちりょうち)

    致良知とは、良知を致すことを指します。

    良知とは、私利私欲のような曇った心ではない状態を指し、このような澄んだ心で事を致すことが大切であるというメッセージです。

    私たちビジネスパーソンは、仕事を通してさまざまな感情を経験します。
    良いときもあれば、悪いときもあります。
    ただ、どのような時であっても、澄んだ心を持とうとする気持ちはとても大切であるように感じます。

    このような気持ちでいるからこそ、良い仕事を致すことができるのはないでしょうか。

    4. おわりに

    いかがでしたしょうか。

    今回は、第一回として王陽明について、また陽明学の基本的な内容である3つの言葉をご紹介しました。

    お読みいただいた方は、「陽明学はビジネスに活かすことができる」「陽明学はビジネスに直結している」ということを、感じ取っていただけたのではないでしょうか。

    「陽明学のすすめ」シリーズでは、実際に陽明学を活かしてビジネスを成功させた経営者の講話も出てくるので、ぜひトップセールスの本棚の続編もご覧いただければ幸いです。

    陽明学を活かして、良いビジネスを創り出していきましょう。次回は、第二回:人間学講話「安岡正篤・六中観」です。

    第一回:経営講話「抜本塞源論」←今回のコラムはこちら!
    第二回:人間学講話「安岡正篤・六中観」
    第三回:山田方谷「擬対策」
    第四回:人間学講話「河井継之助」
    第五回:人間学講話「渋澤栄一」
    第六回:人間学講話「三島中洲・二松學舍創立者」
    第七回:人間学講話「佐藤一斎」
    第八回:人間学講話「中江藤樹」

     

    本日ご紹介した本のAmazonリンクはこちら⇒陽明学のすすめ~経営講話「抜本塞源論」~

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    石井 健博

    ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
    営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
    趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。

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