ALVAS JOURNAL

その説得は、正しいですか?

こんにちは、石井です。

私は、2017年より株式会社アルヴァスデザインにジョインしたメンバーで、営業・教育コンテンツ開発・講師登壇、そしてマーケティングなど幅広く仕事をしていきました。

現在は、イギリスにあるリーズ大学のビジネススクールのMBAコースに留学しています。留学期間は、2022年9月から約1年間です。

こちらの留学レポートは、不定期に更新し、イギリス現地のMBAコースでの学びや、国際交流などを配信していく予定です。

 

目次

    1. 倫理観とリーダーシップ(再掲載)

    近年、ニュースを見れば不祥事が目に留まるほど、多くのビジネス界隈で不正が行われています。

    日本においても、「不適切会計」「脱税」「粉飾決算」などさまざまな不正に関連する言葉が流行しました。

    このような背景もあり、これからのビジネスを担うリーダーシップは倫理観というものが大切になります。

    そのため、MBAのコースでも倫理観を考えるクラスがあるのです。

    2. リーダーとは、変革する人である

    皆さんにとって、リーダーとはどのような存在でしょうか。

    • チームメンバーを鼓舞する人
    • チームメンバーの視座を高める人
    • チームメンバーに新しい視点を与える人

    など、さまざまな回答がありますね。

    私も、リーダーにはたくさんの役割があると考えています。

    その中で、大切なことの1つに「変革」があると思っています。

    変革とは、「現状を新しい姿に変えること」です。

    変革をするには、強い心がなければなりません。なぜならば、現状維持への欲求を人間は持っており、今いる安定した状態を手放したくないと抵抗するメンバーがいるためです。

    そのため、リーダーは変革する際には、これらを乗り越えなければならないのです。

    3. メンバーを巻き込む力

    「就職活動のグループワークやグループディスカッションでは、メンバーを巻き込む力を見せないといけない」という言葉を聞いたことはありますか?

    私が新卒時代に就職活動をした際には、「巻き込む力」をアピールすることを求められた記憶があります。

    巻き込む力は、どのような時に必要になりますか?

    一番必要になるタイミングは、「変革」です。

    前述した通り、現状維持を望むメンバーをいかに巻き込み、1つの方向性に向かっていくのかがリーダーの腕の見せ所でもあるわけです。

    では、巻き込むためにはどのようなスキルや必要なのでしょうか。

    • Visionを見せる
    • ベネフィットやメリットを示す
    • 1つ1つのプロセスに同意を得る

    などでしょうか。

    この問いにも正解はなく、巻き込むためにはさまざまな行為が必要になります。

    4. 変革と倫理観

    リーダーとして、変革を実施していく際には、さまざまな障害を乗り越えなければなりません。その上で、メンバーを巻き込み、困難を打破していきます。

    そのため、リーダーはメンバーをいかに効果的に・効率的に巻き込んでいけば良いのかという心理が働きます。

    • このメンバーには、○○というベネフィットが響くだろう
    • このメンバーは、私のことを信頼しているからすぐに同意してくれるはずだ
    • このメンバーは、皆が同意してくれた後に声をかけよう

    このように、巻き込む際にはメンバー一人ひとりの特性に合わせて、いつ・どのような手法で対応するかを考えますね。

    ただ、ここで注意しなければならないことは、その巻き込みが倫理的に行われているかどうかということです。

    5. 巻き込む際の5つの注意点

    変革をしていく過程では、メンバーを説得して巻き込んでいく必要があります。

    しかし、注意しなければならないことは、「倫理的に正しくメンバーを巻き込めているか」ということです。以下の5つの注意点を確認しましょう。

    ・その1:同調圧力による同意を迫らない

    人間は、他のメンバーがYESと言っている中で、自分一人だけNOということを避けたがります。

    大切な場面での同意であればあるほど、一人で考える時間を与え、自分なりの解を出させるようにしましょう。

    ・その2:メリットだけを伝えない

    メリットだけを伝えることは、その場しのぎの対応です。

    変革は痛みも伴います。当然のことながら、リスクもあります。これらのデメリットも正確に伝えましょう。

    ・その3:感情に訴えかけ過ぎない

    人間は、感情によって判断をくだしやすいです。衝動的に何かを買ってしまい、あとで後悔することは誰にでも経験があるはずです。

    このような状況にならないためにも、感情に訴えすぎることは避けましょう。

    ・その4:決断を迫り過ぎない

    感情に訴えかけすぎないことと同時に、メンバーに判断の猶予期間を与えることも大切です。

    この期間を与えることで、人は冷静に物事を判断できるようになるでしょう。

    ・その5:恐怖感を与えない

    当然のことながら、ポジションパワーによって恐怖を与えることはよくありません。

    日本人はヒエラルキー構造が主流であり、上司の権力を部下は感じやすいと言えます。そのため、リーダーは変革の際には恐怖感を与えていないかも確かめるようにしましょう。

    6. おわりに

    いかがでしたでしょうか。

    本日は、リーダーが変革を起こす際の説得や巻き込みについて焦点を当ててみました。

    現状を変革するためには、さまざまな困難があります。その困難を乗り越えることは、いかなるリーダーにとっても簡単ではありません。

    しかし、変革が簡単ではないからといって、メンバーを不適切に巻き込むことは倫理的に正しいリーダーシップとは言えません。正々堂々としたリーダーシップが必要です。

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    ▼過去の記事はこちらです。

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    石井 健博

    ブランドマネージャーとして、マーケティングを担当。
    営業・リベラルアーツ・マネジメントなどのコラムを発信中。
    趣味は、読書・英語学習・ラグビー。5歳息子のパパ。

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